ちび子4号。

Date: 2019/10/17(Thu) 21:46 [1395]

 ちび子3号。
 本体自体が壊れた…とかじゃないんですが、まぁもうたいがいでWindows update ができなくなってしまって(システムドライブの容量が小さくてもうパンパン)、しかし昨今のNetbook系は、以前ほどの便利さといいますか、まぁそこそこのスペックでそれなりに動き、3年サイクルでスパーンと交換しても惜しくない安価さ…ではなくなってしまったので、思い切って、今回は中古のノートPCを買ってみました。
 中古つったって、スペックだけ見るなら、メイン機のフジコちゃん(本名はWISTERIA)と遜色ないので、歴代のモバイルPCでは最高クラスのスペックとなりました。

 ワタシは持ち運びするPCには、あまり多様な仕事をさせよとは思っていない人で。
 でも、大きさとか重さとかあれこれとか……それなりのこだわりがあったりするので、そのあたりが難しいといえば難しい。

 ・とにかく軽いこと(できれば1000g以内、重くても1300g以内。
 ・かさばらないこと(A4サイズとかでかいし!<今回がA4サイズ。若干でかい。
 ・長時間バッテリー(10時間は持ってほしいけど、そこまでは言わないよ。

 。車からでもAC電源取れるようにしているので、そこのところも抜かりなく。

 そんなこんな条件のもと、今回買ったのが、Panasonicの Let`s note。
 なので、お名前は『みlet`s』あるいは『みれっつ』
 『み』はみやびの『み』ですね。この命名は、むかーしの命名の名残でして、それをそのまま踏襲しているだけです。変えるの面倒だし(ぇー。

 略称は表題のとおりで『ちび子4号』

 モバイルタイプPCとしては、6代目になります。
 「ちび子」って付いてない子が前に2台いるのです。そいつらの名前は『みVAIO』と『れVAIO』でした。
 ちび子1~3号は『みEee』…とても分かりやすい命名ですナ(w。

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【再掲】甘え2【艦これ駄文】

Date: 2019/10/13(Sun) 01:41 [1394]

 逆のパターンもある。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
○夜 武蔵の部屋。
       武蔵が部屋で本を読んでいる。
       デスク上には別の本が積み上がり、書き付けが大量に散らばっている。
       どうやら何かを勉強中らしい。
       部屋のドアは開いている。

       コンコン…と控えめなノックの音。
       顔を上げてドアの方に視線をやる武蔵。
       しかしそこには誰もいない。



 武蔵   ………。
      (ふたたび視線を落として勉強をつづける)



       サラサラと鉛筆が紙の上を流れる音。
       デスク上に無造作に重ねられている書き付けと、付箋を挟まれ積み上がった本。
       眼鏡越しに見える伏せた目と長いまつげ。
       文字を連ねていく手元と繰られていく本。
       そして……
       静かに控えめに、のし、っと背中にかけられる誰かの体重。
       武蔵の視線が後方に移動する。



 武蔵   おかえり。


 声    ……ああ。


 武蔵   疲れているようだ。


 声    ……ああ。


 武蔵   (武蔵の視線が、藤紅色の髪を捉える)



       行儀悪くあちこちの方向に跳ねる髪は隼鷹のもので。



 武蔵   (視線をまた書いている手元に戻して)………。


 隼鷹   (武蔵の背中に、向こうを向いて寄りかかっている)
      ……あんがと……。


 武蔵   なに、別に邪魔をしなければいい。


 隼鷹   ん……。



       しばらくそのままでいたが。



 隼鷹   ね。


 武蔵   なんだ。


 隼鷹   重くない?


 武蔵   ……もっと太った方がいい。


 隼鷹   あっそ……。


 武蔵   折れそうで、こわい。


 隼鷹   ………。


 武蔵   もっと柔らかい方が良いな。


 隼鷹   ……自分を棚に上げんじゃねっつの。


 武蔵   すまんな(口とは裏腹に平然としていて)


 隼鷹   ………。


 武蔵   ………。


 隼鷹   ………。


 武蔵   終わったら、卵酒でも作ってやろう。


 隼鷹   甘酒が良いな。


 武蔵   だったら、鳳翔のところにもらいに行かないと。


 隼鷹   じゃ、卵酒でいい。


 武蔵   わかった。


 隼鷹   酒は割らないでねぇ……。


 武蔵   ……わかった。


 隼鷹   へへ……。



       サリサリと鉛筆が紙の上を走る音。
       隼鷹に寄り掛かられながら勉強を続ける武蔵。
       向こうを向いたままべーったりと武蔵にくっついてる隼鷹。
       夜はゆっくりと更けていき……。


--------------------------------------------------------------------------------
 卵酒。日本酒と水をだいたい半々程度に割って温めて、卵黄一個に砂糖を混ぜたものに、攪拌しながらゆっくりと注いで作ると、失敗が少ないですね。
 酒を割らずに作ったものも、美味しいですよ、ギューンときますけども(w。

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【拍手】

Date: 2019/10/10(Thu) 02:01 [1393]

 ぱちぱち、ありがとうございます!>8/22、24、25、31 9/9、11、17、21、22、26、29 10/2、6。

 …だから貯めるなつってのに、ついつい…。

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【再掲】甘え【艦これ駄文】

Date: 2019/10/09(Wed) 22:51 [1392]

○夜。 そして闇。

       眠っている隼鷹。



 隼鷹   ……ん……あつ……?



       自分の体がなにかに戒められていることに気づく。



 隼鷹   ……(自分を戒めるものをまさぐって)
      ……ん……(まさぐっていた方の手でぽん、ぽん…と軽く叩いてやり、
      反対の手でそっと抱いてやる)……よし、よし……。


 ??   ………。



       隼鷹、自分を戒めている力がきゅ…と堅くなる感触に、
       小さくかすかにため息をついて



 隼鷹   おやすみ。
      ちびすけ。



      「ちびすけ」と言われて、ごそり、と動く影。
      それは隼鷹の言葉どおりに小さくはなく、山のように大きい。



 隼鷹  (うっすらと目を開けて、下目遣いに「ちびすけ」を見る)
     ………。



      隼鷹の視界に入るのは、この暗闇でもうっすら白く浮かぶ髪。
      頭頂部の左右らしき部分に見え隠れする、小さな尖り跳ねた部分によって
      読者は武蔵と分かるだろうか。
      隼鷹は再び目を閉じて、くしゃり……と髪をかき回してやる。



 隼鷹  ……大和は元気だったかい?


 武蔵  ……ああ……変わりない。


 隼鷹  ……そうかい(手は動き続け)
     (……まったく。この世にゃカミサマってものはいないんかね……)


 隼鷹  なんでこんなことになっちまったかね……。



      武蔵の、隼鷹に抱きつく力がぎゅ…と強くなり、隼鷹の胸に頭を強く埋める。
      隼鷹、視線を暗い天井をに上げ、小さくため息をつく



 武蔵  ………。


 隼鷹  ………。
 
    (独白)こうやって、どうにもならなくなったコイツが、
     アタシのところに来ることに
     アタシに甘えに来ることに
     アタシは密かに喜んでいる


 隼鷹  いいかげん、乳離れしな(言葉とは裏腹に、優しくぽん、ぽんと撫で続ける)


 隼鷹  (ウソつけ。自分が乳離れさせてねーんだろ)


 隼鷹  (独白)ああ、まったく。
     度しがたいのは、アタシ自身だよ――。



      暗闇の中、隼鷹の手は武蔵を撫で続けて――。

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【STUDIO L Webん室 復旧のお知らせ】

Date: 2019/10/03(Thu) 17:33 [1391]

 表題通り、STUDIO L Webん室 とりあえず復旧いたしました。

 実はスパムの踏み台にされていたため、緊急停止処分中でした。
 当該ファイルを削除し、サーバー上に上げているすべてのファイルを精査してサーバー管理会社に報告。→ 処分解除。となりました。

 …しまった。何時頃にプログラムを仕込まれたのか、見とけば良かった。←
 今回はちょっとだけ思い当たるフシが…(ぇー。
 「あれじゃないかな?」くらいのことですが。気をつけないとデスネ。

 ご迷惑をおかけいたしました。

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【緊急】お知らせ

Date: 2019/10/03(Thu) 13:30 [1390]

 現在、本家サイト【STUDIO L Webん室】が、403Forbidden で表示できなくなっています。

 現況ですが【復旧応対中】です。

 復旧までしばらくお待ち下さい。
 復旧しましたら、こちらとTwitter( https://twitter.com/STL_Nikukiu )で報告致します。

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【再掲】今朝のキスの味。

Date: 2019/10/03(Thu) 03:00 [1389]

 再掲です、再掲。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

○ヒナセ基地 離れ「い棟」 早朝

       〇五四〇。「い棟」と呼ばれている離れの一棟。その内部にある寝室。
       武蔵と隼鷹が眠っている。ふたりはほぼ全裸。どうやら昨夜はお楽しみだった模様。

       いきなり武蔵がむくっと起き上がり伸びをする。ベッドから足を下ろして
       立ち上がろうとしたとき、武蔵の首ががくんと斜め後ろにテンションがかかって停まる。



 武蔵  ………。



       見れば、隼鷹の手が武蔵の髪を掴んでいる。
       ……が、当人の目は開いていない。だが、しかし……



 隼鷹  (目を瞑ったまま)キスは?

 武蔵  ……(なんとも微妙な顔)

 隼鷹  (チロっと片目だけ開いて武蔵を見る)キ・ス。

 武蔵  ……ん……お……おはよう(隼鷹に覆い被さるようにして)

 隼鷹  んー(口元が笑って、武蔵を迎え入れる)



       武蔵と隼鷹、ゆっくりと口づける。深いキス。
       舌と舌が絡み合い、音を立ててむさぼるようにキスを続ける。
       やがて、満足したように自然と離れ……



 隼鷹  (お互いの唾液で塗れた自分の唇を舌先で舐め取りながら)……うまくなったねぇ……(にやにやと笑う)

 武蔵  ……ん……(こちらも自分の口の周りを舐めて)

 隼鷹  てかだな。



       隼鷹の手がシュッと武蔵に延びて両のもみあげガシっと掴んでそのまま起き上がる。



 隼鷹  てめー、いつも言ってんだろ! ヤッたあとこっそり盗み食いすんなって!!
     ゆんべはカステラか!!! こないだ長崎で自分用の土産に買ったヤツだろ!

 武蔵  いててててて!!! な……なにを証拠に……

 隼鷹  あまーい匂いと味がすんだよ、白状しろくぉら!!

 武蔵  ごごごご……ごめんなさいぃぃぃ!!

 隼鷹  どうしてもハラ減るなら、食ってもいいけどな! 歯ァ磨いて寝ろ!!
     布団の中に甘い匂いがして気持ち悪いし、なによりおめーが虫歯になるだろ!!
     虫歯になったら治療が大変なんだって、何度言ったら分かる!
     虫歯はバケツでも治らないんだよ!! 分かったか、このちびすけ!!!



       隼鷹、ものすごい剣幕でまくし立て、武蔵は隼鷹の勢いに押されて
       平謝りするばかり。

       間。


○後刻エピローグ 別の場所 日向、武蔵


 日向  (『叱り方はともかく』)隼鷹の言い分が正しいな。
     武蔵よ、お前はあの明石(明石ダッシュのこと)に、麻酔もなしで歯を抜かれて
     新しい歯を移植されたいか?


 武蔵  ……絶対ヤダ。

 日向  だったら寝る前には歯を磨くんだな(『いくら眠くてもだ。日向さんとの約束だ』)

 武蔵  ……はい……(小さくなる)

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 ウチの武蔵は基本『いちばんちっちゃい子』扱いなんですよ、みんながw

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【再掲】人が生きていく上で。

Date: 2019/08/26(Mon) 02:06 [1388]

 タイトル通り、再掲。
 オリジナル『あの桜並木の下で』時間外。
 ちょっとした一コマ。

 貴子と秋子(しゅうこ)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

貴ちゃーん。起きてる?


んー?
なに? 今日はちょっと早いわね。


ええ。……でね、明日、お休みなの。


そ。じゃ、のんびりしてれば?
……てかさ、会社のトップが働き過ぎるのは感心しないわね。


下の者が休めないからね。


そゆこと。もっと定期的に休みなさいよ。


公休はちゃんと定期で頂いてるわよ。


どんどん潰れてるじゃない。
いくら四十代の働き盛りだとはいえ、体壊すわよ?
そろそろ更年期も始まってるでしょうに。


(肩を竦めて)……それは、ご自分の事も言ってるのかしら?


(ぷいっとそっぽを向く)さぁね。


……(目を細めて笑い)まぁまぁ、つむじ曲げないで。


どうせアタシゃつむじが3つあるよーだ(煙草を取り出して火を付ける)。


そういうことを言ってるんじゃなくて。
……ねえ、明日、お買い物に行かない? 子供たちが学校に行ってる間に。


……。


気が乗らない?


……。


……(首をかしげる)


……どこに、なに買いに行くの?


(にっこりと笑う)お洋服を買いたいかなって。


……たんまり持ってるべや。


仕事用じゃなくて、お家で気軽に着れるラフなのが欲しいの。
GW過ぎて、そろそろ汗ばむ日も多くなってきたしね。


……ふむ。


どう?


ふむ……。


……。


(ジロ、と秋子を見て、行儀悪く煙草を口の端にくわえたまま)
他になんか企んでる。


……え?


そういう顔してる。


(苦笑して)……もう……敵わないわね。


何年付きあってると思ってんの。一つ屋根の下で。


そうね。


……たく。転がり込ませたら、とうとう嫁にまでなったしね、この人は。


そう仕向けたのは、どこのどちら様?


さてね。


……で?


ん?


どうする? 行く?


企み次第で。


お洋服。


それは聞いた。


選んであげようと思って。


春花の?


いいえ。


じゃ、兄貴? ブラザーズ?


いいえ。あなたの。


いらんいらん。選ばなくていい。


どうして?


オーバーオール(こいつ)で充分。
脱ぎ着が面倒。


でも……。


いりません。


じゃ、同じものの、新しいの買ったげる。


いらん。服買う小遣い銭くらい持ってる。


何千枚も買えるのは小遣い銭とは言わないと思うけど?


アンタから見たら、小遣い銭程度でしょが。


……たぶん、個人資産だったら、あなたのほうが持ってると思うわよ?
私のはあくまでも会社とか家とか、半分以上自分のモノじゃないもの。


……。


はい?


……そういうことを言ってるんじゃなくてだな。


そうね。


……引かないな。


今日はね。


なんでよ?


今年……


ん?


……あなたの誕生日プレゼントを買いそびれたなって。


あぁん?
アタシはアンタにあげたことほとんどないんだから、別に毎年くれなくたっていいのよ?


んー……そうじゃなくて、私が買ってあげたいの。
できたら実用品を。


いつも実用品ですよね。


ええ。最初の灰皿以来ね。


あれはとても重宝してますよ、今も。


知ってるわよ。いつも吸い殻が詰まってる。


ときどき小人さんが現れて、きれいに掃除してくれてるわね。


あらそう?


そう。眼鏡かけて、後ろで髪しばってる小人さんが。


うふふ……て、話を逸らさない。


てか、百歩譲って、プレゼントは了解するとして。
なんで今年は服にこだわりますかね?


ずーっと同じもの着てるじゃない? だから。


……ちゃんと洗濯もしてるし、さっきも言ったけど、同型を買い続けてるだけなんすけど。


こだわり?


まぁね。


……(首をかしげる)


……はじめはね、面倒くさかったから。特にトイレが。
ボタン外してチャック下ろして……が面倒でさ。


うん。


尾籠な話なんだけど、ほら、アタシさ、集中作業してるときってトイレに行くのも忘れちゃうのよ。なもんで、いつもギリギリになりましてね。


知ってますよー。ドッタバタしてトイレに駆け込んでたものね。


……なもんで、たまーにだけど……(肘上約5cmから下がない腕を上げて)こうなりましてから、ギリギリで間に合わないことがね。


……失礼。


いやいや。
……ま、ほんの少しとは言え、粗相をするのもなかなかにね。誰にも見られてなくてもだね。人間のね、尊厳ってやつにね、響きますのよ。……で、脱ぎ着が楽なように、今のカッコになりまして。


だから、大きめのオーバーオールなのか。


そゆこと。


でも。だったら上は別に何でもいいじゃない。
Tシャツでもいいし、今着てるオックスフォード・シャツでも色違いとか。
……以前よく好んで着てた、緑のVネックも似合いそうなのに。


……オクスフォードを着てるのは、着心地がいいから。生地がしっかりしてて丈夫なのに、柔らかいでしょ? あと、もうひつとありまして。これがいちばんの理由かな。


なに?


襟。


襟?


うん、そう。
オーバーオールの、肩紐がたまに首を擦ることがあってさ。直接だとなんべんも擦ってるウチに痛くなるし、へたすっと痣ができたり血がにじんだりすんのよ。
だから。


なるほど。…でもそれだと一色(ひといろ)にしてる理由がないわよ?


あー、そりゃ単に面倒だからデス。
選ぶのが面倒。だから、スタンダードな青にしてんの。
選んだり悩んだり、時間ももったいない。
古くなったのは作業着代わりにもしてるから、そのうちどうせドロドロにしちゃうし。
時には引っかけて破いたりもね。
だから、ワンデザ・ワンカラーでいいの。


ジョブスみたい。


ああ…。そうそうあんな感じ。でもアタシ、黒好きじゃないからね。


そうね。黒って着ないわよね。


地味じゃん。


似合いそうだけどね。


ホストっぽくなるからヤダ。


ああ、そうそう。そんなイメージ。


似合うだろうけど、嫌。


でしょうね。もともとがカラフル系好きだものね。


そゆこと。
そーいや、ジョブスで思い出したけど、ああいう人らって、いつ見ても同じモノ着てるイメージ。
スタイリストとかがいて、写真写るたんびにあれ着てるんかな?


何かで読んだのだけど、同じ服装を通すビッグネームは、あなたと同じで、面倒だから同じモノを着てるって。コーディネイトする時間すらももったいないって。


だよね。うん、合理的。
アタシも、今度からそれ理由にしようか(あはは、と笑う)


えー。


冗談はさておきさ、真面目に思ってるんだけど。


はい?


人間てさほどモノは要らない。


ええ。


服もね、ボトムが2枚、換えの上衣が3枚。下着もそれぞれ5枚ずつあれば充分。
同じ形、同じ色の靴下。靴も2足あれば充分。寝間着の代わりにもなるTシャツも5枚。これだけしかいらない。特に、アタシみたいな生活をしている人間ならね。
それ以上持つのは奢り。
母屋のアタシの部屋、あれを片付け始めてからそう思うようになった。


もともと“使わないモノ”はあまり持たない主義じゃない。


まぁね。それに、より拍車がかかった感じかな。
下着なんかも、今となってはパンツが5枚あれば充分だ。
それを、1年経ったら丸ごと新しいのと換えちゃえばいいやって。


……もともとブラ、持ってないじゃない。


……いや。持ってましたが。


チューブトップ的なものをね。


まね。
腕、片っぽなくなってからは、よけいに要らなくなった。
……これでも昔は、フロントホックとかおもしろがって持ってたけどね。


……。


……ん?


そんな話をしているんじゃなくて。


……デシタネ。


うーん……


……。


……分かりました。


ありがとうございます。


じゃ、今年は新しいオクスフォード3枚買ってあげる。


……おいこら。


古いのは、作業着にしなさい。


人の話を……聞いてるからそう言ってるのか。


ええそう。


……どーしてもプレゼントしたいわけだ。


ええ。


……わかった。
分かりました。降参(左掌を秋子にむける)


ありがとう。


じゃ、ジャケット買ってよ。フード付きのヤツ。
夏用の薄いの。
去年まで使ってたヤツ、そろそろ袖口が擦り切れそうなの。


ええ。


実はさ、シャツは先月買ったんだよ。


あら。
それは失礼したわ。


あと……


あらあら、欲張りね。


じゃなくて。
マッチも。いつも買ってる徳用の。
あれもそろそろ切れそう。


はいはい。……ホントに実用品しかいらないのねぇ。


使わないモノは……


……ゴミですもんね。


その通り。


……ありがと。


どういたしまして。

--------------------------------------------------------------------------------
 饒舌になるのは、きっと秋子さんの誘導が上手いから。
 そう信じたい。うん。うん。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 しばらく個人的な創作活動はおやすみになるので、本家サイトにまだ掲載していない旧作をときどき投下していこうと思ってます。
 『あの桜並木の下で』なんて、ここで一度発表したのに本家サイト未掲載が35本もありまして。
 『艦これ』の二次創作は、超短いのからクソ長いのまで、実に……とか思ってファイル一覧見たらそうでもなかった。単にクソ長いのが10本くらいあるのか。そうか。

 シナリオ形式や会話形式のモノをHTML化するのが実に面倒くさくてですね。…全部手でやってるからだけど(完全自動化は無理。
 来年いっぱいくらいまではその作業もたぶん無理だわーってな感じなので、オリジナルが中心になりますけど、気が向いたらポトポトと旧作投下すっかーって。

 そんな感じで。はい。

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今年もお化け屋敷。

Date: 2019/08/15(Thu) 17:37 [1387]

 10年ほど某イベント企画会社から各種イベントのディレクターを請け負ってたんですが、去年いきなり会社が消滅しまして。
 この先はイベント企画運営の仕事はできないのかなー…とか思ってましたら、拾う神あり…というか、半分顧問みたいな感じで、今年もお化け屋敷のディレクターを数日間やってます。
 今日は台風でお休みになり、明日が自分のシフトインの最終日。
 あれやこれやと贅沢を言えばキリがなく、しかしこだわりがなければショボイものにしかならない…というバランスが難しいなぁ…と、個人企画~設営~運営のイベントについて考える日々です。
 …が、この現場が終わったら、たぶんしばらくはイベント業もお休みの予定。
 さて次は何をするかな…って。

 今週土曜の夕方には↑前職のボスと同僚氏がまた遊びにやって来ます。
 天候次第だけど、BBQができないかなーと草刈りを決行しました。
 もう夏は毎年来たら良いよw <草刈りせざるを得ないからさww←
 前職のボスとその周辺の人々は大好きです。この10年をとても豊かにしてくれた人々でした。
 できる限り縁を切りたくないなw

 人の縁は大事にしたいなって、いつも思っています。


【拍手】ぱちぱち、ありがとうございます! >6/30、7/4、11、13、17、20、28、29、8/2、7、13。

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最近…

Date: 2019/07/10(Wed) 02:52 [1386]

 …会いたい人がいる。


 でもきっと会わない方が良いのだろう。
 すでにどこに住んでるかもわからないしな。

 僕の名前をどこかで見て、僕という人間がいたなぁと思い出してくれたら、少しだけ嬉しい。

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ちょろちょろツイートしているので…

Date: 2019/06/20(Thu) 00:43 [1385]

 …なにやら体調を崩しているのがバレてるかとは思いますが。壊れてます。←

 この1年、仕事に恵まれなかったと言いますか、酷い目に遭い続けたといいますか。
 まぁそんなこんなで、メンタル プツッと切れちゃいまして、療養生活中です。

 ほとんど何も出来ない状態なので、来月中頃に姉が帰省してくることに。
 …母の七回忌もあるしな。

 メシテロが上がらないのもそのせいで。
 Tw量ががた減りしているのもそのせいです。

 オリジナルも二次も、テキストを書かなくなって、何日過ぎたかなぁ…って感じですけども。
 …実のところ、先日の新刊は、メンタルぶっ壊れたての偏頭痛と肩こり首こりマックスの中で、推敲加筆誤字脱字訂正、カバーのデザイン、版組~製本等をやってました。
 データ版のBOOTH 出品が快速だったのも、今手を止めると何もできなくなるから…ってのが理由でした。
 
 その後は案の定、半分抜け殻状態で、毎日ぼへーっとしています(最後の仕事も一応やってるけど。
 日にち薬で治すしかないものなので、のんびりやっていく所存。

 時々思い出したら、ここに何か投下してるかもしれません。
 しばらくは大人しくなってますけど、Twitter上では1日1回くらいはなんか喋ってますし、RTもしてると思うので、まぁ気長にお待ちいただければな…と。
 はい。
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【拍手】ぱちぱち、ありがとうございます。>5/13、18、6/17、19。

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…ちょっと思うところありまして。

Date: 2019/06/06(Thu) 01:29 [1384]

 30年ほど前のカセットテープをデジタル録音してみました。

 マスターテープではなくダビングであること。
 よく聴いていたこと。
 そして何より保管状態があまり良くなかったこと等で、音質は良くありません。
 (ある程度まではノイズカットしましたが、これ以上は音色が変わっちゃうので諦めました。

 定期演奏会全曲デジタル化したかったんですが、なぜか1本目が行方不明になってまして、仕方なくメインステージ(第4ステージ)~エンディングまでになっています。


混声合唱曲『私のねがい』
  髙田三郎 作曲 高野喜久雄 作詞

『Ⅰ いまわたしがほしいのは』


『Ⅱ 雲雀にかわれ』



アンコール『流浪の民』
  ロベルト・シューマン 作曲 エマニュエル・フォン・ガイベル 作詩 石倉小三郎 訳詞


エンディング 混声合唱のための組曲「旅」より『行こうふたたび』(OB OG 合同演奏)
  佐藤眞 作曲 田中清光 作詞


【演奏:大阪芸術大学混声合唱団VIVENTE 第15回定期演奏会】
  指揮:雅たけあき(全曲)
  伴奏:藤井その子(1st、4st~エンディング)、鵜澤奈美(3st・今回未収録)

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#こんなお話いかがですか

Date: 2019/05/13(Mon) 02:19 [1383]

武蔵と隼鷹のお話は
「知らない場所のはずなのに、どこか懐かしい気がして立ち止まる」で始まり「静かで優しい夜だった」で終わります。
https://shindanmaker.com/804548

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
 アタシたちが駅の外に出られたのは、もう街が寝静まったあとだった。
 これはまぁいたしかたない。海軍の規則だから。
 鎮守府まではのんびり歩いて十五分くらい。夜中とは言え、人間に見られないよう、近道でもある裏路地を通って鎮守府へと急いだ。
右側からすぅっと冷たい風を感じてそちらを見る。横を歩いていた武蔵がいない。立ち止まって振り返ると、五歩ほど後方で、不思議そうな顔をした武蔵が背の高い塀を眺めていた。
「どしたいどしたい?」
 戻ってそう訪ねると、武蔵はこっちを見て言う。
「……知らない場所のはずなのに、どこか懐かしい気がする……」
 おやまぁ、とアタシは肩をすくめる。でも口から出た言葉はちょっと違ってた。
「気のせいじゃね? 佐世保来んの、初めででしょ?」
 右手を伸ばして武蔵の左手を取り、鎮守府へと歩き始める。武蔵が後ろ髪を引かれながら付いてくるのが、繋がった手から伝わってくる。
(ごめんな。オマエさんのそれ。気のせいじゃないよ)
 心の中でそっと呟く。
 駅から鎮守府に、アタシたちが駅を出た時刻の報告が行ってる。あんまり遅いとあらぬ疑いをかけられて、提督に迷惑がかかっちまう。
 鎮守府に着いて、提督に頼まれたおつかいものを渡したら話してあげる。
 オマエさんが立ち止まった塀の向こう。そこは艦の時代にオマエさんが建造されたドックがあるんだわ。アタシはその横のドックで建造されたんだわ。
 ひゅぅっと吹いたビル風が、海軍のロングコートの上からでも冷たかった。ぶるっと身震いすると、武蔵が繋いでいる手をきゅっと握り返してきた。
 できるだけ足音がしないように、ひたひたと鎮守府を目指して歩く。夜中の佐世保。誰も居ない裏路地。あったかい武蔵の手。
 静かで優しい夜だった。

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 リハビリがてらに書いてみました。

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令和になりました。

Date: 2019/05/01(Wed) 18:33 [1382]

 …個人的には踏んだり蹴ったりな感じではあるんですが。
 まぁこのあたりの話は後日いろいろ確定してからって感じで(は?

 …で。
 令和に入ってすぐくらいに、唆されたので、ちょっと録ってみました。

 【うたってみた】さよならごっこ【どろろ ED TVサイズ】

 …録って思った。
 もっと声に合った(音も高さも)ヤツ録ろうや自分。

 そう言ったところで、なかなかないのも事実なんですが。←
 一部、しれーっとオクターブ上げて歌ってますが、まぁ笑い処ってトコで。


 そんなこんなで、令和もよろしくお願いします。

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君と見る。

Date: 2019/04/19(Fri) 02:57 [1381]

 思えばこれが……
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

○岩下家 離れ“あずまや” 真夜中

       音を立てないようにそっと開けられる“あずまや”の玄関引き戸。
       暗がりの中、柳原秋子が足音を殺して入ってくる。
       その右腕には何かがそっと抱えられていて…。



 秋子  (三畳の前室からアトリエ内部を伺いながら小声で)貴ちゃん?



       前室とアトリエを隔てているのは、
       模様ガラスがはめ込まれている枡格子戸とアトリエ側に吊されたカーテン。
       それら向こうにあるアトリエは暗く、貴子の反応もない。
       秋子、できるだけ音を立てないよう、枡格子戸を開け、アトリエ内部に入る。



○同内部 貴子のアトリエ兼寝室

       アトリエは庭側のカーテンが少し開いており、そこから弱い月明かりが
       入ってきていて、いろいろなもののシルエットが浮かび上がっている。
       背をややげたカウチベッドで眠っている貴子。
       その足のほうには天井から不自然に吊されて閉じられたカーテン。
       小さな座卓の上に散乱した絵の具と道具。床にも絵の具や筆が散らばっている。
       眠っている貴子の横にはベッドと同じくらいの高さのサイドテーブル。
       その上には灰皿と煙草の缶と片手でも火が付けられるように細工された木製の大型マッチ箱。
       秋子はまず抱えているものたちをサイドテーブルの上に置き、
       それから灰皿たちをすべて下ろす。
       一緒に下げてきた布袋の中からいくつかの容器を取りだして、サイドテーブルに
       並べてから、起きる気配がない貴子を覗き込む。



 秋子  (鼻の前に手の指、甲側をかざして)……。
     (独白)熱が高い……(チラリとサイドテーブルの上に並べたモノを見る)
     (独白)起きたら食べてくれるかしら……いえ、勝手に入ったって怒って投げ捨てるわね、きっと。



       暗い部屋の中にふわりとした香りが広がる。


○同

       香りに誘われて貴子がうっすらと目を開ける。
       暗闇の中に誰かのシルエット。
       ギョッと目を見開く。



 貴子  ……っっ!!



       とっさに飛び起きようとするが、体が動かない。
       息が乱れる。



 秋子  貴ちゃん。私よ。



       シルエットは秋子だと気が付いて、少し力を抜く。
       起き上がることは止めたが、しかしチリチリとした攻撃的気配を隠さない。



 貴子  (息荒く掠れ声で)……見た?(秋子を睨みつける)


 秋子  ……いいえ。何も。カーテン、かかっているわよ。


 貴子  (言われたカーテンのほうに視線をやり、ホッと力を抜く)


 秋子  それに暗いもの。
     そもそもあなたが制作している途中の作品を、
     私が覗き込んだことなんてあったかしら?


 貴子  ……一回だけ。


 秋子  ええ、そうね。あれ以来やってないわよ。


 貴子  ……うん。
     ……。
     仕事……年度末だから、忙しいんじゃないの?


 秋子  そうね。でも今日はちょっとだけ早かったのよ。
     ……で、土手の桜並木のところ、通ってもらったの。


 貴子  ……だから匂いがするのか。


 秋子  それもあるけどね……酔客かしらね。枝が折られて落ちててね。
     拾ってきちゃった(視線を転じる)



       秋子の視線の先には、桜のひと枝。
       それはやや大きめで、倒れないようにと大きな花瓶に挿し入れられている。
       床に置かれているのに十分な高さがある。



 貴子  なるほど。
     折るヤツは許しがたいけど、花見ができたのはまぁ……


 秋子  でね。せっかくだからと思ってね(サイドテーブルに視線を転じる)


 貴子  (秋子が見たほうに目をむけて)……。


 秋子  おなか、空いていないかしら?


 貴子  窓……開けて。


 秋子  肌寒いわよ?


 貴子  空気が篭もってる。


 秋子  そうね。春らしさが欲しいわね。


 貴子  うん。



       秋子、すらり立ち上がり、文机の向こうの窓を開ける。
       さぁっと風が部屋に入り、油絵の具の匂いが篭もった空気を洗い流す。



 貴子  (ゆっくりと深く息を吸い込んで、のろのろと起き上がり)
     ……春……だね。



       貴子、手元明かりを付けるが、光量は極限まで絞ってあり、
       蝋燭よりもやや暗い明かりが部屋の中に浮かぶ。
       サイドテーブルに並べられた、タッパー容器に入ったおにぎりと玉子焼き。
       5センチくらいの長さに切られたキュウリの糠漬け。
       そして1合瓶冷酒。
       貴子の横に戻った秋子が、おおぶりの猪口を貴子に持たせてやり、
       支えることができたことを確認すると、
       その猪口にそっと酒を少しだけ注いでやる。



 秋子  糠漬けから……よね。


 貴子  (酒で唇を湿らせて)……うん。


 秋子  (猪口を受け取って、キュウリの糠漬けにVの字に二本差した爪楊枝を持たせてやる。


 貴子  (もしゃ…とキュウリの糠漬けを一口囓る。
      しばらくもしゃもしゃと咀嚼してゆっくり飲み込み)……いい香り……。
     (小皿の上にキュウリを置いて、その横に置いてある猪口と取って酒を口に少し含む)
     ……ふー……(桜に視線を転じて)……良い香りだね。


 秋子  (酒とおにぎりを交互に口に入れながら)……そうね。


 貴子  風も、気持ちいいや(きゅ、と猪口をあおる)


 秋子  おかわり、いる? それともおにぎり?


 貴子  うん……おにぎり……かな。


 秋子  はい、どうぞ?(切ったラップで下方を包んで、それを渡す)


 貴子  あいかわらず、手際が良い。


 秋子  あら。おにぎりは、できれば手で掴んで食べたいじゃない?


 貴子  そうね。
     ……やっぱ、花見には……冷えた握り飯と冷酒だなぁ。


 秋子  うふふふ……貴女が教えてくれた最初のおご馳走だったわ、これ。


 貴子  実家でもっと良いモノ食べてたでしょ。


 秋子  「おご馳走」ってそんなものじゃないじゃない。


 貴子  まぁね……。



       貴子、おにぎりをほんの一口囓って、ゆっくりゆっくり咀嚼する。
       秋子、その様子を見ながら、満足そうに目を細めて、おにぎりを食べる。



 貴子  ……塩加減がちょうど良い。


 秋子  あなたに鍛えられたもの。


 貴子  そうだったかね?(おにぎりを半分ほど食べてテーブルに置き、
     また猪口に持ち替えて酒を少しだけ飲む。目の周りが薄紅色に染まる)


 秋子  (酒を注いでやりながら)ほどほどにしておいてね。


 貴子  ……ふん……(少し鼻白んで)
     (ふと、という感じで窓の外に視線を転じる)……来年は、外で花見をしたい……かな。
     ……できれば……そう、できればね(猪口を置く)


 秋子  (その言葉に小さな不安を感じながら)できるわよ。
     来年と言わず、もっと先までお花見がしたいわ。あなたと。


 貴子  子供らは参加させないんだ?


 秋子  なあに? 春花も参加させたいの?


 貴子  ……そういうわけでは。


 秋子  中学に上がったら、それもいいわね。
     でも……それとこれとは別にして欲しいわ。


 貴子  (のろり、と秋子に視線を転じる。
      その言葉の意味を考えていたが、うっすら苦笑して頭を小さく振る)
     アンタにゃ兄貴がいるでしょうが。


 秋子  それとも別よ。私はあなたと二人きりでお花見がしたいの、これからもずっと。


 貴子  ……もう岳(ガク)もいないのに……。


 秋子  だったら蜂(ホウ)を連れて行けばいいわ。


 貴子  あいつはダメ。庭より先に出たことないもん。


 秋子  そうね、岳に比べて行動半径が小さいわよね。……あ、でもちょっと前に
     商店街の角のあたりでよく似た猫を見たわ。鈴も付いてたから、峰だと思って
     声をかけたのに、しらんぷりで路地に入っていったっけ。


 貴子  ……外は危ないから、出ちゃいけないって、いつも言ってんのに……もう。


 秋子  (苦笑して)……なるほど。あなたが峰を甘やかしているのね。


 貴子  昔と違って、車多くなったし、みんな飛ばすからね。そうじゃなくてもアイツ、
     トロッとしてるから。


 秋子  ……そうね。


 貴子  (最後のひとつの玉子焼きを手に取って頬張る)……来年……さ。


 秋子  (貴子を見る。ほの暗い部屋にうっすらとその姿が浮かび上がっていて、
      それが今にも消えてしまいそうな気がする)


 貴子  見に行こう。あの桜並木。


 秋子  ……。


 貴子  あの桜並木の下で、飲んだり、食べたり……もっと桜の匂いのするところで……。
     きっと美味いよ。もっと美味い(ゆっくりと噛みしめるように咀嚼する)


 秋子  ええ……そうね。
     あなたとまた……あの桜並木を……。



       貴子のアトリエ。暗がりの中。
       冷えたおにぎりも、玉子焼きも、キュウリの糠漬けも食べ尽くし、
       残った冷酒をゆっくりと時間の許すまで飲む二人。
       窓から時折吹き込む風はまだ冷たい。
       今年は花冷えが長く、桜の花もまた長く。



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 そしてこの年の冬に……


【拍手】ぱちぱち、ありがとうございます!>3月28日

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光の旋律【うたってみた】

Date: 2019/04/09(Tue) 00:23 [1380]


【光の旋律】

 0録なので、音取りはしましたよ状態。ちょっと録り直して微妙に小マシな1録です。

 最近はホントに歌ってない上に加齢もありまして、音が安定しなくなりました。
 最近は女性ヴォーカル曲ばかりやってるから、自分が安定して出せる高さじゃないってのもあるかもですけど、それ以前に声のピークが過ぎた感じがします。
 発声を支える筋力も落ちてますし腹筋も背筋も。…特に背筋がめっきり弱りました。

 もう縁側でひなたぼっこして余生を送りたい…(マテ。

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ひうがししょぉ と ひぶりがた・03-3

Date: 2019/04/06(Sat) 05:53 [1379]

 …ずいぶん間が開いてしまった…。
 
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
○数日後 司令官室 夜
        日向がヒナセに対峙している。



 日向   困ったことになった。

 ヒナセ  なに?

 日向   ちょこれいとが足りない。

 ヒナセ  ………。

 日向   さらにだ。艦医を呼んで欲しい。

 ヒナセ  ……それはまた物騒だね。明石じゃダメなの?

 日向   明石でも対応できるが、ちょっと可哀想でな。

 ヒナセ  ……日振たちか。

 日向   そうだ。このままでは虫歯になってしまう。

 ヒナセ  寝る前に歯を磨かせてないの?

 日向   いや。それはやらせている。食事やおやつのあとも、できるだけ磨かせてはいるんだ。

 ヒナセ  んー? じゃ、どこに虫歯になる余地が?

 日向   その歯磨きのあとだ。問題は。

 ヒナセ  んん?

 日向   チョコを欲しがるんだ。

 ヒナセ  それは意味がないのでは?

 日向   おりこうさんなことをしたから、チョコを食べなければならない、と
      無茶苦茶な持論を展開してきた。

 ヒナセ  それは確かに無茶苦茶だねぇ
      ……あ……

 日向   ん? なんだ?

 ヒナセ  あー……あーあー……そういうことかー!

 日向   ??

 ヒナセ  ヒナタ。

 日向   な…なんだ?

 ヒナセ  (肺の中の空気を強き吐き出して)可哀想だけど、虫歯にしちゃおう。
      ちょっと痛い目見ないとダメだと思う。

 日向   し……しかし……。

 ヒナセ  見た目は子供だけど、中身は子供じゃないんだ……いや、違うな……
      (手で顎を支えて考え込み)とにかくだ。見た目と行動に欺されてはいけない。

 日向   ふむ?

 ヒナセ  やはり海防艦だなぁ。クレバーだ……いや、crafty か、この場合は。

 日向   クラフ……ずる賢いか……なるほど。

 ヒナセ  ちょっと甘やかしすぎたかな。
      どのみち、この基地に置くことになるなら、規律と躾はしておかないと。
      あー……こういうことか、レーコさんが言ってたのは。

 日向   カワチ提督から何か言われてたのか。

 ヒナセ  言われてたというか、忠告をね。
      そんなわけだから、チョコあげていいよ。そして明石に治療させよう。

 日向   ……海防艦たちが気の毒になってきたな。

 ヒナセ  んにゃ。これいじょう増長させると、本気でこっちをナメてくるからね。
      そうならないうちに先手を打たないと。

 日向   ……(不満顔)

 ヒナセ  これ命令。OK?

 日向   Aye-aye ma'am....


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ひうがししょぉ と ひぶりがた・03-2

Date: 2019/02/27(Wed) 12:23 [1378]

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 ……そして討ち入り(違。

○ヒナセ基地農作業小屋 日向、日振、大東
        日向が布バケツ片手に農作業小屋に入ってくる。
        内部には薪ストーブが焚かれており、ストーブの上には大きなヤカン。
        湯がたっぷりと沸かされている。ストーブそのものには二重の柵。
        そして一段高くなっている三畳ほどのスペースには布団が敷かれており、
        日振と大東がすやすやお昼寝中。
        日向、眠っている二人を見て、ホッと息を吐く。
        ヤカンからお湯を取り、タオルを二枚洗いぎゅっと絞ってから
        二人が眠っている横に腰を下ろして……



 日向   (掛け布団の上からそっと撫でるように叩き)そろそろおやつだぞ。



        日振型たち、ぽにゃ…と目を覚ます。



 日向   まだ寝ていたいなら、それでもいいが。

 日振   (両手をついてうーんとネコのように伸びをし)うー……。

 大東   (眠くてたまらないがおやつは食べたい)おやつー。

 日向   では、顔を拭け。目脂やヨダレが付いている(先ほどのタオルを広げて渡す)。

 日振型  はぁ~~~い……(大人しく拭く)

 日向   (使い終わったタオルを受け取って)よし。じゃ、おやつをやろう。



        布バケツにタオルを入れ、そして大きなビニールの袋を取り出す。



 日向   (袋の中から、オブラートに包まれたチョコレートタフィーを出して…)
      昨日間宮が来たからな(日振と大東の口の中に、タフィーをひとつずつ押し込む)



        日振と大東、口の中に入れられたモノをしばらくモゴモゴしていたが、
        急に目が見開いて「きらーん」となり、全身を震わせる。



 日向   (真剣に様子を見ている)

 大東   ひゅひゅひゅひゅ……

 日振   ししょししょししょぉ……

 日向   (眉間に皺を寄せた渋い顔で)……嫌いだったか?



        日振と大東、自分の頬を、支えるように手で押さえ、
        ぶるぶると顔を横に振る。
        日向はそんな二人を覗き込むように見ている。



 日振   し……ししし……

 日向   ………。

 大東   こここここれこれこれ……

 日向   ………。

 大東   にゃにきょれ……

 日向   ………。

 日振   おぃひい(プルプルしている)

 日向   (真面目というより、怖い顔)………(いきなりニカ、とたぶん笑い)そうか。

 日振   うひぃ!(日向の顔が怖くて飛び上がる)

 大東   はやぁ……!(同様に飛び上がる)

 日向   ……ん?(なんだか反応が変なので小首をかしげるが、気を取り直して)
      もう一つ……いるか?(袋の中に手を入れる)

 大東   (ぱぁぁぁ…と顔がほころび)たべるー!

 日振   (ホッとして溶ける)

 日向   (二人の口の中に、タフィーを入れながら)今日だけ特別に二つやるが、
      明日からはひとつだけだぞ。それも、ちゃんとお利口さんにしていたらだ。

 大東   しゅるしゅるー(口の中でタフィーをもごもごさせながら)

 日振   ひひょぉらいひゅひー(もごもご)



        喋ろうとしてヨダレを垂らす日振型たちの口元を、
        作業用タオルで拭いてやる日向。



 日向   ……食べながら喋るんじゃないと、何度言えば……


     ------------------------------------------


○作業小屋外
        ヒナセとカワチが通りがかる。
        カワチがふと窓越しに中を見て。



 カワチ  ……あれは、なんだい?

 ヒナセ  (中を見て)ん? ……ああ。
      餌付け中だね。

 カワチ  は?

 ヒナセ  チョコだよ。おちびさんたちになかなか手こずっているようだから、ちょっとアドバイスを。

 カワチ  なるほど。しかしそれは悪手では?

 ヒナセ  そぉ?

 カワチ  犬猫じゃないんだから、エサで釣るのはいただけない。
      犬猫ですら、餌で釣って躾けると、碌なことにならないのに。

 ヒナセ  そうなんだ。でも二本足で歩かせたりするじゃない。

 カワチ  芸と躾はちがうからね。

 ヒナセ  そうなんだ?

 カワチ  (渋い顔になって)だいたい君はだな。どうしてそう心の機微に疎いんだ。
      おちびさんたちを自分に置き換えて考えてみたまえよ。

 ヒナセ  うーん…(いちおう考えている)

 カワチ  何か起きたら、君が責任取れよ。

 ヒナセ  え? そんなに重篤なことなの?

 カワチ  そうなるかも知れないってことだよ(やれやれ、と肩をすくめる)


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ひうがししょぉ と ひぶりがた・03-1

Date: 2019/02/18(Mon) 03:09 [1377]

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

○ヒナセ基地 菜園
        日向が菜園の一角を丹念に点検している。



 日向   ……ふむ。



        あちこち見ているが、取り立てて異常はない。



 日向   まぁ、大丈夫なようだな……ん?



        なにか見えたような気がして、そちら方面に歩いて行く。
        歩いて行った先は、サトウキビが植えてある区画。
        甘味の一部を賄うために、さほど広くはない面積で栽培をしている。
        サトウキビは日向よりも背が高いが、頓着なく入っていくと、
        いきなり身をかがめて何やら引きずり出した。



 日向   ……やっぱりお前達か……。

 日振   えへへへ。

 大東   うひひひひ。



        無造作に首根っこを持たれてぶら下げられているのは日振と大東。
        手には折り取ったサトウキビ。皮を剥いてあちこち囓った跡があり、
        繊維がモシャモシャと広がった部分がある。
        賤し食いを見つかったにもかかわらず、悪びれない日振型たちを見て、
        日向は盛大なため息を吐いた。



 日向   何度言ったら分かるんだ。サトウキビはつまみ食いしてはいけない。
      これは砂糖を作るために栽培している。つまりみんなの共同財産だ。
      それをつまみ食いするとは何事だ。
      腹を壊すかもしれんし、そうなったら賤し食いがバレて
      提督に頭がハゲるほど叱られるぞ。

 日振   だってーひゅうがししょぉ……

 大東   美味いじゃん!

 日向   言い訳にもなってないな。
      それにだ。ハブでも出たらどうするんだ? もし噛まれたら大ごとになるぞ。

 大東   ハブたんぱく質! おいしい!

 日振   日振もハブ好き!

 日向   ……イヤ、そうではなく……だな……



        話が通じないちびっこたちを前に、途方に暮れる日向。
        しかし、ふととあることに思い至った。



 日向   お前たち……おやつは足りているか?
      昼寝前に食べさせすぎてはいけないと思って、ちょっとセーブ気味だが。
      しかし、起きたら追加はもらっているよな? そう指示を出しているんだが。

 大東   あたいたち、甘いのに目がないんだ。な、ひぶー。

 日振   うん。

 日向   ……いや……そうじゃなく……だな……(頭を抱える)
      まぁいい。とにかく籠に入れ。帰るぞ(日振型たちをいつも入れている大籠を左肩にかける)


 大東   やだー! まだあそぶー!

 日向   ダメだ。そろそろ夕方だ。



        逃げていこうとする大東を電光石火で捕まえて手際よく籠に放り込み、
        さらに日振(こっちは逃げてない)もひょいっと小脇に抱えて歩き始める。



 大東   やだー。まだあそぶー! ししょぉのひとさらいー!!

 日振   大ちゃん……

 日向   ……まったく、人聞きが悪いぞ……。



        日向の背中に哀愁が漂っている。



     ------------------------------------------



○数日後 夜 ヒナセ基地 農作業部屋
        日向がヒナセと喋っている。



 日向   ……というワケだ。

 ヒナセ  なるほど。

 日向   あれはどうにかならんか?

 ヒナセ  うーん……育ちきるまでは仕方ないんじゃないかなぁ。

 日向   他に誰か、面倒をみるヤツがいないか?

 ヒナセ  そうしたいのは山々だけど、君にいちばん懐いているからなぁ。
      ……ああ、そういや、面倒見たがってる子はいるね。

 日向   アレはダメだ。

 ヒナセ  まだ誰とも言ってませんが?

 日向   長門だろう。
      あいつだけは絶対にダメだ。丸め込まれて躾が壊れる。

 ヒナセ  ……ま、確かにね。その可能性は否定しない……というか、「できない」、が正解かな。

 日向   存外、武蔵が適任と思うがどうだろう?

 ヒナセ  うーん…遊び相手なら良いんだろうけどね。さて「育てる」って観点からはどうだろう?
      それなら隼鷹に任せたいところだけど、あいにく彼女は航空隊の練度上げで忙しいからなぁ。

 日向   それ以前に嫌がるな。

 ヒナセ  たぶんね。「ちびは武蔵だけで十分」って言いそう。

 日向   あれのどこが「ちび」なんだか。
      隼鷹は目が悪いのではないか?

 ヒナセ  ……いや、そういうことじゃないよ、決して。

 日向   ? そうか。

 ヒナセ  (こりゃ解ってないな、と肩をすくめる)

 日向   (ため息を吐いて)そういうことなら、もうしばらく面倒見なくもないが、
      もう少しいたずらや賤し食いをしなくなればな。ちょっと目を離した隙に、
      何かしでかしているから、こっちは仕事が滞っている。ゆゆしき問題だ。

 ヒナセ  ……幼児サークルでもこさえますか? いっそもうニワトリ小屋みたいなの。

 日向   ………(渋い顔)

 ヒナセ  それは嫌なワケね。

 日向   閉じ込めるのはちょっとな。

 ヒナセ  しょっちゅう、ひっくり返したカゴに入れてるのは、どこの誰かな?
      アレ見てると、父がヒヨコを伏せたカゴに入れてたのを思い出すんだけど。

 日向   あれは危ないからだ。ヒヨコもそうだろう?

 ヒナセ  まぁね。油断しているとカモメや鳶なんかに盗られたりするからね。

 日向   さすがにあいつらを盗っていくほどの大きな鳥はいないだろうが、
      放っておくと二人で危険な遊びをしてたりするからな。

 ヒナセ  危険な遊び?

 日向   そうだ。わざわざハブを捕まえようと藪に入っていったり、木に登っていたり。
      ……崖からぶら下がっていたこともあったぞ。

 ヒナセ  マジか! それは超危ない。

 日向   だろう。
      大勢で作業しているなら、誰かが見ているからさほど心配はしないんだが、
      少人数だったり私一人だったりすると、やはりちょっとな。

 ヒナセ  むーん………(腕組みして思案する)

 日向   鳳翔を貸してくれてもいいんだぞ。鳳翔の言うことはきっちり聞くしな。

 ヒナセ  それだけは勘弁して!

 日向   なんでだ? 赤城にでも代行させればいいし、そうじゃなくても今は
      秘書業務ができる艦娘がたくさんいるじゃないか。

 ヒナセ  私のモチベーションが下がるから嫌。

 日向   ……君もたいがいに公私混同するよな。

 ヒナセ  ……ちょっと止めてよ。私と鳳翔さんがデキてるみたいな表現するの。

 日向   なんだ。違うのか?
      夜中によく司令官室で逢い引きしてるから、てっきりそうだと思っていたぞ。

 ヒナセ  ヒナタ!

 日向   まぁ、そんなに怒るな。

 ヒナセ  あれはね、仕事が遅くまで引き伸びちゃった時に、夜食を持ってきてくれるだけです!

 日向   まぁそんなにムキになるな。

 ヒナセ  (うんざりした信楽焼のタヌキみたいな顔になる)
      私はカワチじゃないんだから、そっち方面はまったくダメなんだってば。

 日向   失礼な物言いだ。
      単に恋愛事には疎いと言えばいいものを。

 ヒナセ  ~~~~~。

 日向   ……だからこそ、私も安心して君と付き合えるのだがな(微かに笑う)

 ヒナセ  へ?

 日向   深い意味はない。
      強いて言えば、愛称を付けてもらった艦娘が主人に対してより深く意識下での
      繋がりができるということ程度の意味だ。

 ヒナセ  ふぅん……(尻のポケットから鉛筆付きの手帳を取り出し)今の、メモっていい?

 日向   (鼻白んで)好きにしろ。

 ヒナセ  (書き付けながら)……あ、そうそう。五日後にさ、間宮さんが来るんだよ。

 日向   緊急便か?

 ヒナセ  んにゃ。それほどじゃないけど……毎年この時期に来てるじゃない。

 日向   そうだったか?

 ヒナセ  忘れましたか? てんぷくまるに付けたオマケのことを。

 日向   オマケ……ああ……あれは……赤城が先導して、間宮から共同購入したヤツだったな。

 ヒナセ  その節は美味しく頂きました。てんぷく丸も、超嬉しかったし。

 日向   自分の私船登録する程度には気に入って貰えたようでなによりだ。
      しかしなぜ船なんだ? 確かにフロート(浮舟)はついているが?

 ヒナセ  個人で飛行機持つってなると、手続きがめちゃくちゃ面倒なんだよ。軍人だからさ。
      どうせアレで鹿屋に行くワケじゃないし、飛ぶよりも走らせる方が多いし、
      なにせフロート(浮舟)が付いてるからね。

 日向   人間がよく使う、詭弁というものだな、それは。

 ヒナセ  まぁね……とと、話が逸れてる。
      ちょうど良い時期だし、日振たちが甘いモノに目がないってなら、ちょっと多めに買っといて、
      ときどき少しずつ与えて手懐けるのも、ひとつの手かなって。

 日向   餌付けか……なるほど。

 ヒナセ  注文は明日の十五時がラストなんで、ちょっと考えてよ。
      なんなら『か号券』、多めに出すけど?
       ※『か号券』…海軍限定の、艦娘専用軍票(複写式)のこと。
        提督の個人識別コードが記載してあり、物品名と数量と金額を記載する欄がある。
        主に間宮・伊良湖で使用されるが、鎮守府や基地・泊地内にある軍内売店でも利用可能。
        一枚で使える上限金額は五百円程度。券そのものに使用期限はないので、
        貯めておいて複数枚を一気に使うことも可能。十枚程度までなら受け付けてもらえる。
        提督の階級や役職、その他の条件によって、艦娘用福利厚生月額が
        設定されており、超過すると提督個人が負担をしなけらばならないので、
        『赤(字になる)キップ』『破産票』『地獄キップ』などと呼ばれている。
        ちなみに、福利厚生月額に満たなかった分の次月以降の繰り越しはなく、
        余剰金をプールして支出の多い月に当てることはできない(厳しい)
        ヒナセ基地では、福利厚生費が余りそうな月は、月末〆で間宮に依頼して
        キャラメルや飴を購入し、遠征時のおやつとして持たせている模様。
        基地や提督によっては、不正の温床になっているという噂がある※

 日向   いいのか? 来月大変になるんじゃないか? この時期集中するんだろう?

 ヒナセ  あ。思い出した?

 日向   うむ。ちょこれいと、とやらだな。

 ヒナセ  そうそう。この時期の超過支払いについてはすでに織り込み済みだから、
      そこは気にしないでいいよ。ありがたいことに今年は人数少なめだし。

 日向   わかった。ならお言葉に甘えようか。

 ヒナセ  上手くことが運ぶと良いねぇ。


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 遅ればせながら、ヴァレンタインネタ。
 長くなりそうなので、このあたりでひとまず切ります。

【拍手】ぱちぱち、ありがとうございます。 >2/6、16。

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艦隊行進曲

Date: 2019/02/13(Wed) 13:00 [1376]

 ひさびさにちょっとドタバタ的なモノを。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

○ヒナセ基地司令官室 夜
        コンコン、とノックの音に続いてドアの開く音。


どうぞー……て、なんだレーコさんか。


なんだはご挨拶だなぁ。


こんな夜更けになに?


大したことではないんだが、例の件、どうするんだい?


例の件……ああ、あれか。
……レーコさん、私の代理で出てよ。


そうはいかないだろ。
私にだって要請が来ている。


マジか。


仕方がないさ。姫提督の当番なんだから。
部下の提督という提督。近隣にいる連中は、みんな呼ばれているはずだよ。


……基地を留守にしたくないんだけどな。


ここは本部にいちばん近いと言っても過言じゃない程度には近隣地の後方基地だからね。
ああ、そうそう。佐世保組も呼ばれているらしい。


マジ? ……というか、その情報はどこから入ってきたの?


ん?
まぁ、同期関連の連絡網……とでも?


……誰かいたっけ? ヒロミさんの部下で同期って。


……ヒナセ、君、本気でそれ言ってるか?


うん。


……ホントに君は、同期関係への関心が薄いな。


すみませんね、人付き合い悪くて。


(肩をすくめる)
……それはともかくとして……だ。
式典行事への参加となると、アレがいるよな。
君、決めているか?


アレ?


艦隊曲。


へ? いるの?


いるとも。


あー……。


曲目を提出しないと音楽隊が困るし、君の艦隊だけ無音で長官の前を行進する気か?


……そう言うレーコさんは決めてんの?


もちろん。提督になった時に決めて、それをずっと使ってる。
もちろん式典くらいしか使わないから、数回くらいしか演奏したことはないが。


式典当番なんて、そうそう回ってくるもんじゃないからね。


そうだな。


……で、何?


ん?


曲。


ああ……『錨を上げて』だよ。



あー……イヤになるほど似合いそうだね。


お褒めにあずかって光栄。


褒めてないし。


アメリカさんの公式行進曲だっけ。
アイオワとか旗艦にするとさらに板に付いた感じになりそう。
旗艦は誰?


今回は『那智』だね。


あらま、めずらしい。
妙高さんじゃないのか。


(にこ、と微笑む)



……なんかあったな。


……イヤ別に……。


なるほど。


……で、ヒナセ。
君は決めてあるのかい?


一応ね。
だって、艦隊指揮官になった時点でとりあえず申請出さないといけないじゃない。


ペナルティがあるわけじゃないから『保留』で申請してそのまま……って提督も多いけどね。


マジなの。アレ絶対出さないといけないと思ってた。


真面目な君らしい回答だね……で、何で申請しているんだい?


……『行進曲 軍艦』



……それまた、キミに似合わず勇猛な曲を選んだな。


……それしか知らなかったんです。


は?


私の音楽の成績、知ってるでしょ! もー!


音楽のみならず、芸術方面全般において素敵な成績だったのは知ってるけどね。


きー!


……ふむ。しかし悪くないかもな。
『軍艦』のあとに『錨を上げて』は、流れとして悪くない。


なんで私のあとにレーコさんなんだよ。
違うかも知れないでしょ。


通例でいくなら、同基地はまとめるからな。
だとすれば、立場上君が先になる。


階級一緒なのに!


階級は一緒でも、役職は君の方が上でしょ、課長。


ああそうですね、課長代理。


……こんなことなら、知ってる曲って理由で適当に決めるんじゃなかったなぁ。
どうせ演奏したりされたりなんてことないだろうって、嵩括ってた。


姫提督の下にいるのに、どうしてそう思うかな。


………。


しかしまぁ、今回は我々はさほど目立ちはしないだろうね。
なにせ彼も出るそうだから。


彼?


我が鹿屋第三部の名物男さ。


あー。オトマルさんか。


彼の艦隊はある意味壮観だからね。


だね。戦艦どころか空母も二隻しかいないのに、あれほど派手な艦隊は他に見たことない。


左様左様。
あの艦隊が平時にフルセットで見られるだけでも、僥倖と言うべきだろうな。


……そうだ。密閉容器(タッパー)持って行かないと。


いや……それは……。
話が違っているぞ、ヒナセ。


そのくらい楽しみがあっても良いと思う。


……子供じゃないんだから、駄々こねないでくれよ。


ぷぅ。



   ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

○鹿児島湾 鹿屋基地軍港内 式典当日
        鳳翔艦橋で、ヒナセが妖精さんを介してカワチ提督と喋っている。

(我々の出番が無事に終わって良かったですな)


……だから嫌だって言ってたのに……。


(いや、なかなか雄壮な艦隊行進で、我が三三六分基地の印象も深くなったでしょう)


だーかーらー目立つこと自体が嫌なんだって。


(それは仕方ありませんなぁ。第二艦隊とバランスを取るためには、武蔵くらいが旗艦じゃないと。もちろん鳳翔さんが旗艦でも、見劣りはしないどころかベテラン艦の偉容を十分見せつけることはできますけどね)


……いや。それはそれで困る。表向きは建造艦なんだし。


(そう言えば。ウチの第一艦隊を見て、旗艦は武蔵ではなく大和と勘違いした連中も少なからず居そうですな)


いやよく見なくても違うでしょ。


(大和型と『鳳翔』の組み合わせが、その勘違いを誘発する一種のフィルターみたいなものですからね)


……うむー。


(なんにせよ、これといった問題もなく我々の出番は終わりです。それだけでも重畳ですな)


そーだね。あとは誰が勘違いしようが妄想しようが、好きにすれば? って感じかな。


(姫提督直属の偉容も見せつけてやれたし、まぁ『良き哉』というところですな)


……そこはちょっと勘弁して欲しいところだったんだけどね。
とにかく私は目立ちたくない。


(時すでに遅しですよ)


……はぁ……


(そんな、盛大にため息吐かんで下さい……あ、そろそろ彼の出番だ。これで私たちのことは綺麗さっぱりみんなの脳内から消えますよ、きっと)


……そうであって欲し―――



        ヒナセが言い終わらないうちに次の艦隊曲のイントロが流れ始める。
        


(来ましたな)



        メインテーマの音量が大きくなり、
        小規模ではあるが、通常とはまったく異なる編成の艦隊が主会場に粛々と入ってくる。
        主隊が見え始めると、式典会場がざわつき始め、空気がどよめく。

        先頭(旗艦)は『天龍』、次に空母『飛鷹』その左右に『大井』と『北上』
        後方主隊に『間宮』と『伊良湖』がそれぞれ三隻複縦陣で。
        その左右に『黒潮』『夕立』
        後方に『ガンビア・ベイ』さらに後ろに『叢雲』
        そして殿は『龍田』

        演奏されている艦隊曲は『おもちゃの兵隊のマーチ』(某調味料メーカーがスポンサーの、料理番組のオープニング曲のアレ)




やっぱお持ち帰り用の密閉容器を用意しなくちゃって気分になるよ。


(二大料理番組の片割れのテーマ曲ですからな)


まぁねぇ……。
というか、あのフレーズが聞こえると、そろそろお昼だなぁって思っちゃうよ。


(……もしかして、姫提督のオフィスで流していた……とか?)


いんや。明石の工房では時計代わりにテレビが付けてあってねぇ。
艦娘用の軍内放送枠だから、見られる番組は限定だし局もごたまぜなんだけど、あの番組だけは本放送とおなじスケジュールで十一時四十五分から始まるんだよね、なぜか。


(なるほど。それは罪作りな)



        カワチの苦笑が妖精さん越しにヒナセの耳に届く。
        ヒナセはちょっと肩をすくめて



あー……
オトマルさんの作ったオムレツ食べたい。あのほら……卵で焼き固めたみたいな。


(ヒナセ司令。あれはオムレツじゃなくてキッシュって言うんですよ)


……そなの?


(それ、イワヤ提督が聞いたら泣くから、リクエストの際は、まず私に言って下さい)


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 ちょっとグダグダっぽくなりましたが。
 …てかこれ、書き始めてすぐに気が付きました。
 「マンガのほうが、絶対におもしれえ」

 世の中には、マンガにしたほうがいい話、小説にしたほうがいい話……って確実にあります。

 曲が分からないと面白くないので、該当曲のつべにリンクを貼っています。
 こののち、ヒナセは艦隊曲を別のに変えたとかどうとか…ww

https://www.studiol.co.uk/


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