プライベートエリア・4

Date: 2017/06/21(Wed) 05:58 [1295]

その4
 結局、司令も副司令も、似たもの同士と言いますか。それとも長く一緒にいると、似てくるというのか……。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
○同夜 カワチの私室(リビング側)

       那智が来ていて、ソファに座り、膝に両肘をつけ、手を自分の前で固く握りしめている。
       口も堅くぎゅっと引き結んで、顔をゆがめて黙っている。
       テーブルの上には、ダルマとグラスとつまみのナッツ類。
       グラスには手が付けられていない。
       カワチはテーブルの対岸にいて、静かに飲んでいる。



 那智   (しばらく苦々しそうに黙っていたが、重い口を開く)……とにかく、事情と状況はわかった。
      足柄が……世話をかけた(立とうとする)


 カワチ  待ちなさい那智。君はそれでいいのか?


 那智   (カワチの声を聞きたくないというように、振り切ろうとする)


 カワチ  Wait!


 那智   っ……!(その場に縫い止められたように動けなくなる)


 カワチ  Sit-down and don't move.


 那智   ………(抵抗を試みるが抗えず、引きずられるように座る。
      座ったときには汗びっしょりになっている)


 カワチ  (那智の様子を無表情で眺めたのち、立ち上がって寝室に入り、
       タオルを持って出てきて、そのタオルを那智に差し出す)
      移動しよう。離れを予約してある。妙高にも了解は得ているから心配しなくていい。


 那智   (タオルを受け取りながら、絶望的な顔になる)


 カワチ  なに、夜は長い。話をするにしても、隣にはヒナセ司令がいるからね。
      今夜は電とお楽しみのようだし、邪魔しちゃいけない。


 那智   ……ヒナセ提督が? まさか。


 カワチ  そのまさかさ。人は見かけによらないだろう?(肩をすくめてかすかに笑う)


 那智   平和と見えたのに、ここもそうでもないのだな。


 カワチ  いや、平和さ。他の基地や鎮守府に比べれば、格段に平和だよ。
      人が艦娘を巡って争わないだけでも、格段に平和さ。
      ヒナセ司令はお堅いから、電だけだしね。ベッドに連れ込むのは。


 那智   私は……そうやって人間の相手をさせられた駆逐艦や特務艦が壊れていくさまを数え切れないほど見てきた。
      ここに送られてくる艦なぞ、ほんの一握りだ。艦娘は誰もが口をつぐんでいるが、海ではない場所で
      人間に酷い目に遭わされている艦は、星の数ほどいる。


 カワチ  そもそも人間は、戦闘という名目で君たちを間接的に傷つけている。
      君たちは戦いで疲弊していく。……が、その人間もまた然りだ。
      酷いことを承知で言えば、君たちは感情コントロールがかかっていて、恐怖を感じる部分を
      かなり削られているが、人間はそうじゃない。
      君たちに守られてはいるが、敵の砲弾や艦載機がまぢかに来れば、筆舌では尽くしがたい恐怖をこの身に受ける。
      衝動で動ければまだいいが、たいがいは体が凍り付いて身動きができなくなる。
      死の恐怖を味わい続けて平気な者は、ごくわずかで、そういうヤツはたぶんすでに狂っている。
      ……那智、『死ぬ』という意味がわかるかい?


 那智   動かなくなって解体されるか轟沈することだ。この世には存在できなくなる。
      だが、場合によっては、建造や修復の資材になる。他の艦の役に立つ。


 カワチ  人はね、那智。
      死んだらそこで終わりなのさ。死のあとには何もないし、何も残らない。
      だから人は死が怖いんだよ。
      さ、この話の続きはあちらでやろう。司令の睡眠を邪魔してはいけない。


 那智   ……わかった……睡眠!?


 カワチ  そう、電と一緒だとよく眠れるらしい。
      電からもそのように報告が上がっているよ(にっこり笑う)


 那智   (毒気を抜かれた顔になって)……わかった。今夜はお手柔らかに頼む。


 カワチ  こちらこそ。


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 ちょいと短いですが、一区切り。

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Deep inside・12

Date: 2017/06/19(Mon) 05:54 [1294]

 その12 提督たちの密談は続く。
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 カワチ   ところで、そろそろ本題に入らないか?


 ヒナセ   ……そうだね。
       この基地の司令官として思っていることは、まぁこれは「ゆゆしき問題」だね。


 カワチ   その心は?


 ヒナセ   カワチ副司令、当基地の主任務は?


 カワチ   様々な問題……特にメンタル面での問題を抱える艦娘たちの修復と、それに付随する観察と記録です。


 ヒナセ   そのとおり。
       あと、そういう問題の諸元となっているものの特定と告発も、実は秘密裏に行ってます。
       もっとも、たいがい被疑者死亡であることのほうが多いので、告発まで行ったのは、
       過去に二回しかないけどね。


 カワチ   ……それで、あんなに執拗なメモを取るわけか。


 ヒナセ   まあね。しかしまぁ、これは完全なる副産物でしかないけどね。
       艦娘たちに害をなす連中に同情の余地はないし、できることなら根絶して欲しいところ
       ではあるけど、だからといって、私はMPでも軍検察や軍事裁判所の検事官
       でもないから、正直、誰かを裁くための準備をするのは、あまり良い気持ちではないよ。


 カワチ   ふむ。


 ヒナセ   さて今回の件だけど、こんなに何度も出戻ってきた艦娘は他にはいないんだよね。
       戻ってくることそのものについては、特に問題とは思わない。
       気がつかれなかったり隠されたりして、沈んでしまったり、秘密裏に処理されてしまう方が
       問題が大きいと私は思う。
       提督たちの元で日々量産されているからといって、艦娘たちは使い捨てしていいものじゃない。
       兵器とはいえ、人格があり感情も持っているからね。


 カワチ   それはそうだ。そのように士官学校でも、艦娘は大事に扱え、しかし馴れ合うなと叩き込まれるからな。


 ヒナセ   その割には、扱い方が酷かったり馴れ合いすぎてたりして、軍規違反が横行してるけどね(チラリとカワチを見る)


 カワチ   まぁそう言ってやるなよ。
       ……我々は戦争をしているんだ……それも、得体の知れないモノを相手にだ。
       どこかでガス抜きをしてやらないと、人間のほうが先に参ってしまうよ。
       なにせ我々には艦娘のようなメンタルコントロールが施されてないからな。
       だからといって艦娘に対してどんな扱いをしていいということにはならんがね。


 ヒナセ   (肩をすくめる)まぁそんなこんなだから、どこかおかしいなら、ここに預けられたり戻されるほうが、
       万倍もマシだと、私は考えてる。もちろん、ほんのわずかな運がいいかもしれない子たちだけが
       ここに来ているわけだけど。


 カワチ   そこはもう致し方ないところだな。すべてを受け入れるには、ここのキャパでは小さすぎるし、
       問題が露見するのもわずかな数しかいない。


 ヒナセ   分かってる。
       私がここでできることなんて、砂粒ひとつくらいの分量でしかないよ。
       問題が発覚した子すべてを受け入れることなんて、とうていできない。


 カワチ   ………。


 ヒナセ   話を戻そう(ふぅっと息を吐く)
       とにかく目の前の問題をどうにかしないと。
       私はね、あの子を引き取ろうかと思っている。


 カワチ   君の艦(ふね)として?


 ヒナセ   いや……とりあえずは基地専任艦として。
       軽巡は運用しやすいから。


 カワチ   演習や遠征旗艦として運用するといいかもしれないな。


 ヒナセ   ……いや、遠征旗艦はまだ無理かな。
       ここに何度も戻ってくるのは、思い違いじゃなければ「私のそばにいたい」からだと踏んでいる。


 カワチ   なるほど。


 ヒナセ   今は君もいるから、ちょっと様子が変わっているかもしれないけど、とにかく『提督の』役に立ちたい、
       それも直接……って思ってる節があるんだな。もしかしたら潜在意識があるだけで
       本人に自覚はないかもだけどね。


 カワチ   思い当たる節があるんだな。そう言うということは。


 ヒナセ   まぁね。
       褒めるとさ、はにかんだり困ったそぶりを見せるんだけど、一瞬だけ口の端が、実に嬉しそうに笑うんだよ。
       気がつかない?


 カワチ   そういえば……。なるほど、これは根が深そうだ。


 ヒナセ   余所に回されれば、そのたびにリセットされて無改造状態になるじゃない。
       無改造だと運用しづらいから、そこそこのレベルに上がるまで、海域に出してもらえないことが多いと思うんだよね。
       あの子は自分のレベルが上がるまで待てないタイプなんじゃないかな。
       だから、『提督』の役に立てないって思い込んじゃって、不調に陥る。
       ……詐病の可能性も捨てきれないけどね。


 カワチ   詐病だとしたら、論文が一本書けるくらいの症例になるな。
       そんな高度なことをした例は、今までないだろう?


 ヒナセ   公式の記録にはないね。もしかしたら、本当に初めてのケースかも。


 カワチ   もしそうなら、艦娘も、ごくごく緩やかではあるけども、進化しているってことになるかしれないな(やや興奮気味に)



 ヒナセ   (その様子を見て、ため息をつく)それもあってさ、手元に置こうと思ってんの。
       もし本当に進化していて、それが露見でもしたら、それこそ処分されかねない。
       ここに置いておけば、私が口をつぐんでいる限りは、その心配はないからね。


 カワチ   まぁそうだが……ちょっとリスクが高くないか? その仮説が事実だったとしたら。


 ヒナセ   まぁね。とにかく、姫提督に直接相談した方がいいかもしれない。
       早いがいいだろうから、今日アポ取って、早ければ明日にでもちょっと本部に行ってこようと思う。
       急にで悪いけど副司令、留守番をお願いできますか?


 カワチ   了解しました。で、誰で行きます?


 ヒナセ   うーん……そうだなぁ……足の速い子。あと鳳翔さんとデン。


 カワチ   (えへら…と笑う)


 ヒナセ   ……ん? なに?


 カワチ   そこはいつものメンバーなんだなって。


 ヒナセ   デンはどこにでも連れて行ってるでしょ。


 カワチ   いや、鳳翔さん。


 ヒナセ   美味しいゴハン、食べたいじゃない。


 カワチ   ………。


 ヒナセ   なによ?


 カワチ   いや……君こそ艦娘の運用を微妙に間違っているなと思っただけだよ。


 ヒナセ   ……艦載機の哨戒と直掩があったほうが、安全でしょ!


 カワチ   はいはい。そういうことにしておきましょうか(ツボに入って肩が震えている)


 ヒナセ   ………(それを見て、盛大に顔をしかめる)


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 …うっかり本音が出ちゃうダメ司令でありましたwww


【拍手】ぱちぱち、ありがとうございます! >16日。

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プライベートエリア・3

Date: 2017/06/16(Fri) 08:56 [1293]

 距離感って大事だと思うんです。
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○前景 木漏れ日の中。
       ヒナセとカワチ。
       すでにジョギングではなくて散歩になっている。



 カワチ  ……さて、どうしたものかな。


 ヒナセ  百戦錬磨のカワチ提督でもそういうんだ(くすり、と笑う)


 カワチ  やめてくれ。人聞きの悪い。


 ヒナセ  どうせ、私たちふたりしかいないじゃない。


 カワチ  さてどうかな。あんがい日向あたりが、そのへんに潜んでて聞いているかもしれんよ。


 ヒナセ  それこそ人聞きが悪いなぁ。日向は確かに神出鬼没なところはあるけど、
      言うほどでもないし、そんなにしょっちゅう立ち聞きはしてないよ……たぶん。


 カワチ  たぶん。


 ヒナセ  あの子は単に、そういう星の巡り合わせにいるんだと思う。


 カワチ  そうか?
      私の目には、主人に忠実で、何かあったら守ろうと思ってる。
      だから君のそばによく潜んでいるように見えるがね。


 ヒナセ  そう……あー……。


 カワチ  思い当たる節でもあったかい?


 ヒナセ  んー……まぁね。前に仕えていた提督が、たぶん好きだったのかなって。


 カワチ   ………(期待外れに終わった顔)


 ヒナセ  伊勢が好きなんだとばかり思っていたけど……いや、たぶんそうなんだろうけど。
      提督のほうも同じくらい好きだったのなら、そりゃぁ辛い思いをしたろうなと。


 カワチ  (やれやれ、とため息をついて)
      事情がよく分からないが、あの日向にもいろいろあったということか。


 ヒナセ  ま、その話はおいおいね。
      ……となると、日向が実際にどのくらい壊れているのかちょっと怪しくなってきなぁ。
      これ以上面倒ごとが増えるのはちょっと勘弁して欲しい。


 カワチ  ……ふむ。


 ヒナセ  だからさ、頼むから面倒ごとは起こさないでよ。


 カワチ  ………(顔をしかめて)
      いきなりこっちに話を振らないでくれ。


 ヒナセ  いやいや、元々君の艦が問題だったんだから。


 カワチ  ………(やられた、という顔)失礼しました……。


 ヒナセ  方法はお任せします。私にはそのあたり、よくわからないから。


 カワチ  いつもながら、この手の話題は逃げるね。


 ヒナセ  オマエさんと違って、経験豊かじゃないからねぇ。
      若いうちにもっと遊んでおけば良かったなぁって、思うよ。


 カワチ  (肩をすくめて)やめたまえよ。そういう柄にでもないことを口に出すのは。


 ヒナセ  それは失礼。
      ……ま、しばらくは“離れ”を使うのは制限しておきましょうかね。


 カワチ  ヒナセ、そういうのは「気の回しすぎ」というヤツだよ。
      もっと端的に言えば、「要らぬお節介」だね。


 ヒナセ  あ、そ。
      やっっぱり、慣れないことはするものじゃないね。


 カワチ  まったくだ。



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 ヒナセはお堅いというよりも、そっち方面に割かれるべきリソース自体を持っていないと言いますか……。
 結婚生活がそれなりに長く続いていれば、ちったぁ変わったのかもしれないけど、そのあたりはすでに藪の中。そして神のみぞ知る。

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Deep inside ・11

Date: 2017/06/06(Tue) 15:38 [1292]

 そしてはじめのシーンに…。

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 ヒナセ   (ファイルをめくりながら)憶えてないかな。昔、姫提督(アサカ中将のこと)麾下の艦隊で、
       なにひとつ問題はなかったのに、進軍中にいきなり沈んだ艦があったのを。


 カワチ   ……(顎に手を当て、んー?と天井を見つめて)……ああ……そういえば。
       (ヒナセのほうを見る)アレは十年くらい前だったか……。
       私がアサカ提督の配下になって、君と再会したこ……ろ……
       ……まさか……?


 ヒナセ   まさか、だと思いたい。
       いちおう次長に、当時の報告書の写しを送ってもらった。
       事故艦のシリアルナンバーが書いてあったはず……って思い出してね。
       (ファイルの外装をトン、と叩いて)これの最終報告書は私が作成したから。


 カワチ   さすがメモ魔のヒナセ少将。
       君の記憶力には、毎度頭が下がりますよ。
       ……で、どうでしたか?


 ヒナセ   残念ながら、違ってた。
       ……もっとも、ドロップ艦だから新規のナンバーを割り当てられているんで、
       違ってて当然なんだけど。


 カワチ   ふむ(真顔で)……だのに疑っている?


 ヒナセ    ………。
       オマエさんは途中で担当を離れたから知らないだろうけど、妙に符合することが多くてさ。
       だから、ちょっと疑ってる。艦種も同じだし。


 カワチ   ……なるほど……と言いたいところだが、ちょっと首肯しかねるな。
       偶然と考えるにはタイミングが良すぎないか?


 ヒナセ   いやー、単なる偶然でしょ。
       『事実は小説よりも奇なり』って言うじゃない。きっとそれだよ。


 カワチ   うーん……。
       そうかもしれないが、偶然と片付けてしまうにはちょっと……


 ヒナセ   ドロップ艦が、どういうプロセスで発生するのかはまだ解明できていないけれど、
       一度沈んだ艦がなんらかの理由で再浮上してくるという説は、ほぼ間違いがないと思う。
       一説には、『沈んだ艦が深海棲艦となって我々を襲い、我々はそれを倒す。
       倒された深海棲艦の何パーセントかが元の艦娘に戻って再浮上し、我々に回収される』
       ………。
       この説を採る場合、倒された深海棲艦が落としたように見えたり感じたりする
       だから『ドロップ艦』と呼ばれているけど、そうじゃないのかもしれない。


 カワチ   (怪訝な顔で)……というと?


 ヒナセ   もしかしたら、深海棲艦と艦娘の因果関係は、
       我々が考えているよりも、もっと希薄なのかもしれない……ってことだよ。
       単に、深海棲艦と艦娘の戦闘がきっかけになっている、というだけで、
       深海棲艦=(イコール)沈んだ艦娘……ではない、ということさ。
       だが、この説を採るのも、かなり無理がある。
       とすれば、どっちでもなく、どっちでもあるのかもね。もちろん仮説に過ぎないのだけども。


 カワチ   それはまた……壮大すぎる仮説だな。
       だが……


 ヒナセ   なんとなく納得したくなるでしょ。


 カワチ   そもそも、艦娘と深海棲艦、どっちが先だったのだろうな。


 ヒナセ   さてね。そこは最高レベルの軍事機密みたいで、ヒロミさんの……いや、
       ヒロミさんのお父上……艦政本部長の権限を持ってしても情報開示はできなかったみたい。


 カワチ   相変わらず、天上陣営(てんじょうじんえい)の仕組みがよく分からないな。
       艦政本部は、艦娘の諸事を取り扱う官庁ではないのか。


 ヒナセ   ……あすこは、艦娘建造の権限と研究、新型艦娘の開発計画を担当している官庁って
       だけだからさ。軍事的というよりも研究機関の色のほうが強いね。
       技官や学者が多い印象かな。……そうそう、明石、大淀、間宮、伊良湖、そして赤城の
       五艦だけは、ある程度狙って建造できるみたいよ。


 カワチ   さすが、詳しいな。


 ヒナセ   ……詳しくなんか、なりたくなかったさ。
       おかげで、この島から出られなくなっちゃった。
       私の出世もここまでかね。


 カワチ   (肩をすくめ、口をゆがめて笑う)これさいわいにと居座っているくせに、
       どの口がいいますかね、それを。


 ヒナセ   戻ってこなくていいのに戻ってきて、出世を棒に振った人に言われたくないかな、それは。


 カワチ   ……これは失礼。


 ヒナセ   いえいえ、お互い様だけどね。


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 冒頭シーンの中佐AとB、どっちがどっちだったんでしょうなw (ちゃんと書いてるけどな。

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プライベートエリア・2

Date: 2017/06/05(Mon) 09:58 [1291]

 そして翌朝……。
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○蛸壺小屋前 朝
       ヒナセがトレーニングウエア姿で、体操をしている。
       そこにカワチが扉を開けて出てきて、ぎょっと飛び上がる。
       ヒナセはカワチにチラリと一瞥をくれる。



 ヒナセ  (視線を海に戻して素っ気なく)おはよう。


 カワチ  お……おはようございます。


 ヒナセ  (体操を続けながら)……ゆうべはずいぶんとお楽しみだったみたいで。


 カワチ  ……いや……その……。


 ヒナセ  別に構わないよ? 君の艦なんだし。


 カワチ  ……え……っと……。


 ヒナセ  ただ、その手の問題だけは、起こさないでね。
      もっとも、同型姉妹の共鳴艦たちだから、大丈夫とは思うけど。


 カワチ  ……べ……弁明を……。


 ヒナセ  私にしてもしょうがないでしょ?
      私はこの手の話に寛容ではないけど、まったく駄目だと強制する気もないよ。
      イヤな話だけど、それこそ誰でもやってることだし。
      ………。
      弁明するなら、それこそ那智に対してなんじゃないかなぁ。
      ま、その必要もないと思うけど……艦(ふね)なんだし。


 カワチ  ………。


 ヒナセ  堂々としていればいいんじゃない?
      じゃないと、彼女たちのほうが混乱してしまうよ。
      これ、いつも君が言ってることだよね。


 カワチ  ……そうだな。


 ヒナセ  今からジョギングに出るけど、付き合う?


 カワチ  あ……うん。


 ヒナセ  じゃ、着替えて、どうぞ。
      そのくらいにストレッチも終わるだろうし。


 カワチ  ……ありがとう(踵を返して着替えに戻る)


 ヒナセ  (感情のない目で見送っていたが、カワチが扉の中に消えると)
      やれやれ(肩をすくめる)


     --------------------------------------


○ヒナセ基地外周のけもの道
       ヒナセ基地の外周や周辺には、
       作業のためだったり、ジョギングやお散歩に使われていたりしてできた
       けもの道がいくつかある。そのうちの一つ。
       ヒナセとカワチが走っている。ヒナセがやや前。
       カワチは髪をポニーテールの位置でくくり、垂らした部分も途中何カ所括っている)



 カワチ  ……いつも、思うが……君のスタミナは、すごいな……(ちょっと息が上がっている)
      私は、そろそろ……歳かな……。


 ヒナセ  ……(平気な顔で、前を向いたまま)単に軽いからじゃない?
      レーコさん、私よりずっと重いでしょ。
      (私より二つ年下のクセになに言ってやがんだ)


 カワチ  あー……それも、あるのかな……。確かに私は、骨から重いから……。


 ヒナセ  頑丈そうな体つきしてるもんね。脂肪も少なそうだ。


 カワチ  ……よく……ご存じで……。


 ヒナセ  (速度を落として、カワチと並ぶ)先日潜水艦たちの訓練で、水着になってたじゃない。
      あれ、似合ってたよ。


 カワチ  ……それは、どうも……(顔が赤くなる)
      ………。


 ヒナセ  (他意なく赤くなっているカワチを見ている)


 カワチ  (それに気がついて)……やめてくれ、恥ずかしい(顔をそらす)


 ヒナセ  (自分にはどこかに置き忘れてきた感情だなぁと、思いながら)
      ああ、それは失礼。



       言って、顔を前に向けると、また黙々と走る。
       速度は上げずにカワチと並んだままで。
       そのうちにカワチも気を取り直している。
       海がみえる道が終わり、山の中、木陰の道にさしかかる。
       光がまだらに、あちこちに落ちている。
       空気がひんやりとして、ほてった体を冷やしてくれる。



 ヒナセ  (唐突に)……ところで足柄はどうだったの?


 カワチ  (驚いて地面に躓いて、派手に転倒する)ぅわぃっっ!!!


 ヒナセ  (あれ? という顔で立ち止まり、歩いて戻る)
      大丈夫?


 カワチ  (体に付いた泥や草をはたき落としながら)……なんとか。


 ヒナセ  (手を差し伸べる)


 カワチ  (ヒナセの手を取って立ち上がる)ありがとう。
      ……ときどき、そうやって人に爆弾を落とすのは、君の趣味か?


 ヒナセ  (なんのこと? と本気で思ったので、小首をかしげる)
      ちょっとだけ興味がわいて。


 カワチ  それも、例の記録のため……とやら、かな?


 ヒナセ  まぁね。


 カワチ  ……(盛大に渋い顔になる)
      この小悪魔め、地獄に落ちるといい。


 ヒナセ  (にひゃ、と笑い、信楽焼のタヌキが笑ったような顔になる)それはどうも。
      で、どうだった?


 カワチ  それでも訊くか。


 ヒナセ  物理的なことには興味はないけどね。
      どうせ私には分からないことだらけだし。


 カワチ  実地で体験できないからな、君は。
      しかし、そっち方面も、実に興味が深いことがあるぞ。


 ヒナセ  へぇ。


 カワチ  興味が出たなら、そのうちに話して聞かせてあげよう。
      もちろん学術的表現を使ってね。


 ヒナセ  それなら是非お願いします。
      ……で、今の質問の回答は?


 カワチ  ……ここまではぐらかしても、食いつくか……。
      そうだな……。
      ま、一言で言えば、足柄の『飢えた狼』はある意味間違いなじゃない。
      もっとも、他の足柄は分からんがね。
      あれでは気の毒だな。


 ヒナセ  足柄が?


 カワチ  いや。足柄も那智もだよ。
      対策が必要かもしれん。


 ヒナセ  あ、そー。
      じゃ、ある意味収穫があったわけだ。
      (尻から小さなメモ帳と鉛筆を出して、書き付ける)


 カワチ  (その様子を見て、あきれかえって言葉が出ない)



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 相変わらず、ヒナセはこういうトコ、鬼畜だ(というか、デリカシーがない)なぁと思います。

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良くも悪くも…

Date: 2017/06/05(Mon) 01:15 [1290]

 …同人なワケでして。
 面白いから楽しいからやる、やってるのが同人活動というモノだと思うんですね。

 もちろん、人によってはそれだけではない人も、いるっちゃいますけども。

 しかし基本は、「楽しいから」やってるワケです。
 仕事じゃねぇんだしな(もちろんそれが『仕事』って人もいるけど、ごく少数なんすよ、ええ。

 …で、あるならば。
 答えは自ずと出てると、思います。



 ……辛いのは、仕事だけで十分だ。

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プライベートエリア・1

Date: 2017/06/03(Sat) 11:21 [1289]

 幸運艦姉妹を全員持つというのも、実は楽じゃないのよね…って話。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
       ヒナセ基地もこの頃になると、宿舎が複数建っている。
       ひとつは受け入れて間もなかったり観察監視が必要だったりする艦娘専用宿舎(A棟)
       ひとつはあまり問題がない艦娘たちの宿舎(B棟)
       ひとつは古株の戦艦・重巡・空母用…つまりは専任艦宿舎(C棟)
       そしてちょっと離れたところに建てられた、司令官たちの宿舎(蛸壺小屋)
       そして、『離れ』と称されるプライベートエリアのここ。
       空いてりゃ誰でも使えるので、ときどき日向が泊まってたりもするけれど、
       基本的に、那智と足柄、武蔵と隼鷹。カワチと妙高……つまりはそういうことでして。
       あ、使ったあとは、自分たちでお片付けするのが『離れ』のルールです。

       でもナ。組み合わせがナ……。……アレ??



○蛸壺小屋(司令官宿舎) カワチの部屋前の廊下 夜半
       カワチが夜の見回りから戻ってくる。
       肩に手を当てて、腕をグルグル回す。やや疲れ気味。
       誰かがカワチの部屋の前にいる。暗くて誰かは見えない。


 カワチ  ……おや? (誰かな? と眉間にしわが寄る)



       影が、ごそりと動く。
       カワチ、表情を緩めて。


 カワチ  どうしたんだい? こんな夜更けに。
      ……足柄?



       果たして、部屋前にたたずんでいたのは足柄。



 足柄   ………(何か言いたげな顔)


 カワチ  どうしましたか? お嬢さん。


 足柄   ……別に……。


 カワチ  (苦笑しながら息をちいさく吐いて)ま、良かったらどうぞ?
      広くはない部屋だがね(自室のドアを開けてまず自分が入室し、中に入るよう促す)


 足柄   ………。



       足柄がカワチの部屋に入り、ドアがパタンと静かに閉まる。



○蛸壺小屋 カワチの私室。
       部屋の電気を付ける。



 カワチ  ……どうぞ(コーヒーを入れて差し出す)


 足柄   ありがとう……(受け取る)
      お湯が沸かしてあるのね。


 カワチ  ああ、見回り後に飲むコーヒーは格別でね。
      インスタントだけど、悪くはない。


 足柄   ふうん……(くん、と香りを嗅ぎ、一口飲んで、はーとため息をつく)
      ……美味し……。


 カワチ  それは良かった(にこ、と笑う)
      ……で、今日は那智はどうしたね?


 足柄   その……那智のことなんだけど。


 カワチ  うん?


 足柄   ………。


 カワチ  ………(コーヒーを飲みつつ見ている)


 足柄   ………(言おうかどうしようか、逡巡している顔)


 カワチ  気が向いたら話せばい――


 足柄   提督はさ、那智と寝たんでしょ?


 カワチ  (ぶーっとコーヒーを吹き出す)


 足柄   提督が誘ったの? それとも那智が誘ったの?
      (コーヒーを喉に詰めたらしく、ガッハガッハと咳き込む)

 カワチ  (椅子の背に掛けていたタオルで口と涙を拭きながら)
      ……あ……足柄……ちょ……


 足柄   ねぇ、どっちなの?(真剣にカワチを見ている)


 カワチ  ………(これは本気で思っているなと分かり)
      それは……この間の件……かな?(『ウヰスキーはお好きでしょ?』のこと)


 足柄   (無言でうなずく)


 カワチ  那智から聞いていないのか。……そう言えば、連携を切っていたんだったか。


 足柄   (無言でうなずく)


 カワチ  それは……まぁ、誤解しても仕方ないね(ため息をつく)


 足柄   誤解? 誤解なの?


 カワチ  あの状況では、誤解が生じても仕方がないな。
      私はてっきり、那智が君にはちゃんと話をしていると思っていたし、
      妙高さんからもこの件は伝わっていると思っていた。


 足柄   妙高姉さんは、提督とのことはほぼクローズよ。
      よほどあなたが好きなんでしょうね。些細なことも、私たちにですら知られたくないみたい。


 カワチ  それはそれは……光栄だね。


 足柄   もっとも、あの姉なので、肝心なところは筒抜けだったりするんですけどね。


 カワチ  そのようだ。那智に聞いた話だけどね(肩をすくめる)


 足柄   本当に、何もなかったの?


 カワチ  那智とかい? 二人とも飲み過ぎて、酔いつぶれて雑魚寝しただけさ。
      この棟は壁が薄くてね。ヒナセ提督の部屋とはリビング同士が隣接しているが、
      それでもお互いに、お互いのいびきで目が覚めたりするからね。
      こんなところで逢い引きはできないな……もっとも、ヒナセ司令はときどき
      電を連れ込んで入るようだけど(くつくつと笑う)


 足柄   あの司令が?(信じられないという顔)


 カワチ  君の反応は正しい(ニコ、と笑う)


 足柄   謀ったのね? ……嫌なニンゲン(顔をゆがめる)


 カワチ  (悪びれずに)すまなかったね。だが、一緒に寝ているのは嘘じゃないよ。
      ヒナセ司令にとって、電は自分の子供みたいなものだからね。
      もっとも、旦那さんが生きていてすぐに子供ができていれば、
      君たちくらいの年齢になっているだろうがね。そのあたりには気が回らない
      らしい。司令らしいね。


 足柄   ………。


 カワチ  失礼。そんな話をしに来たわけじゃなかったね。
      つまり君は、もっと那智に積極的になって欲しいんだな?



 足柄   ……よく……わからないわ。
      ただ、那智はあなたによく懐いているのよね。本来、そんなに人間が好き
      じゃかったのに。


 カワチ  んー……それは……君たちの姉君のおかげではないのかなぁ、私としては。
      那智は、妙高さんに心酔しているように見える。違うだろうか?


 足柄   そうね。私にも割り込めない、何かがあるわね。


 カワチ  割り込みたいと、思っている?


 足柄   ……うーん……。


 カワチ  君はとても人間っぽいな。


 足柄   なにそれ。


 カワチ  全部が全部そうじゃないが、人間は、君のような感情を持つことがあってね。
      誰かの一番でありたい……というヤツだね。
      これを持ってしまうと、自分自身でも感情や行動が制御できなくなってしまって、
      場合によっては、自分自身が嫌になったり、自分の外だけに原因をかぶせて自己正当を主張したりと
      負のスパイラルに陥ることが、ままある。
      俗に言う『面倒くさいヤツ』というものだね。


 足柄   (納得いかない、という顔)


 カワチ  私がこう言えてしまうのは、大昔にそういう感情に陥って、自分自身が
      実にめんどくさい思いをしたからだよ。
      体験談……というヤツだな(ふふふ、と鼻で笑う)


 足柄   ……ヒナセ司令のこと?


 カワチ  ん……まぁ、そうだね。
      ここまで達観するには、それなりの時間を要しているというわけさ。


 足柄   ふぅん……。
      じゃ、あなたが今達観というのをしているから、誰とでも寝るの?


 カワチ  (再度コーヒーをぶほ!っと吹いた)


 足柄   今はどうかは知らないけど、あなた鹿屋にいた頃、『艦娘キラー』だって
      噂されてたわ。今も鹿屋に戻ったら、誰かと気軽に寝ているの?


 カワチ  ……その通りだったね。そこは否定しないよ。頻度は落ちたが、あっちで
      それなりに遊んでいるのも、否定しない。
      言い訳だが、本部はストレスフルなところでねぇ……もっとも、お相手は
      艦娘じゃなくて、提督諸氏だけどね(苦笑する)


 足柄   へ?


 カワチ  そうだろう? 自分の直接部下の艦娘ならいざ知らず、余所の提督の艦娘を
      引っかけて同衾するなんてこと、まず不可能だし、できたとしても、先方の
      提督と血の雨を降らせることになる。そういう面倒ごとは、私はゴメンだね。
      まれにいるけどね、そういう提督も。……アレは何だろうねぇ。


 足柄   (気が抜けた顔)


 カワチ  ……君が、何を訝しんで、また何を期待してここに来たのか、予想が付かない
      ワケじゃないが、それは那智に失礼だからね。それを飲んだら、那智のところの帰り。
      もっとも、ここで一夜を明かして、那智を心配させたい……というなら、
      協力しないでもない。


 足柄   ……あなたというニンゲンが、よくわからないわ。


 カワチ  (にこ、と笑って)私は基本的に、女性の味方なのさ。
      人間、艦娘の別なく、『すべての女性は幸せになるべきだ』


 足柄   あなたも女性でしょうに(なにそれ? という顔で苦笑する)


 カワチ  どうやら生まれてくる性別を間違ったらしいね。
      もっとも、男に生まれていたら、男のほうを好きになるタイプになったかも
      しれないがねぇ。
      ……私が男に生まれるのなら、きっと兄たちが女に生まれるのだろうからね。


 足柄   よくわからないけど、人間もいろいろ大変そうね。


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(……と、ここまでは良かったんだけどね、カワチさん。人間ホラ、誰にでも『間違い』ってあるわけですしおすし……)

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伝言・1

Date: 2017/05/24(Wed) 01:22 [1288]

 もちろんこの人にも終焉の日は来る……。
 
 『あの桜並木の下で』時間外。さらに未来。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ――母が、自宅で倒れた。
   医者は、もうそんなに長くはないだろう、と診断を下した。
   父が逝ってから、小さくなってしまった母。
   それでも岩下の母として、家族の中で大きな存在でありつづけた。
   その母が旅立つ日が、刻一刻と、確実に近づいてきている。
   私は母に、伝えなければならない言葉がある。
   あの人から託された言葉。
   しかし私は
   それを、思い出せない――



  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

○柳原本邸敷地内。『あずまや』

       雨――。
       春花が“アトリエ”の窓から外を見ている。
       しかしその目は何も映していないようで。
       玄関がカラリと音を立て、ややあって岩下貴秋が顔を出す。



 貴秋   春花。
      どうする? 出社前に病院に寄るかい?


 春花   ……いいえ。必要ないわ。
      目が覚めないのでしょう?


 貴秋   連絡がないところをみると、たぶん……。


 春花   だったら、いい。
      様子を見に行って、その時にうっかり目が覚めたら、朝から兄妹連座で叱られるわ。


 貴秋   ……まぁね(苦笑する)
      しかし、本当にいいのかい? 主治医(先生)の話では、
      もしかしたら目が覚めずに逝く可能性もあると……。


 春花   それならそれで致し方ないわ。
      母さんだって、お祖母さまの時は別として、お祖父さまと伯父さまが亡くなった時、
      仕事ではないけど、間に合わなかったという話ですもの。
      もし私が間に合わなかったとしても、それは柳原の人間の宿命なんでしょ。


 貴秋   ずいぶん厭世的だね。もしかしてまだあのことを気にしている?


 春花   そうかもしれない。でも、もしかしたら、思い出したくないのかもしれない。
      だって……


 貴秋   ………。



○春花モノローグ

 母に伝えなければならない言葉がある。あったはずだ。
 だが、それを思い出せない。
 思い出せないのはなぜなのか。どこに原因があるのか。
 伝言の主は私の叔母、そして母の義妹でもある岩下貴子、その人。
 私の最愛のひとでもある、その人。
 貴子叔母――貴ちゃん――の言葉を忘れてしまうなんて、あり得ない。そう思うと焦りがどんどん積もっていく。
 だがしかし、私は私を疑ってもいる。
 貴子叔母の伝言を、母に伝えたくないのではないか。だから思い出せないのではないか、と。



○前景『あずまや』

       ダイニングで貴秋がお茶を淹れている。
       春花は“アトリエ”の文机の前に、足を崩して座っている。



 貴秋   マスコミ対策も強化しないとな。


 春花   まだ足りない?


 貴秋   いや、その時がきたあとでは遅いということさ。


 春花   そうね。……今更ながらだけど、面倒な家よね。


 貴秋   だね。……まさか父さんの訃報までニュースになるとは思わなかった。


 春花   あのときばかりはうんざりしたわ。お父さんはただの模型屋のご隠居だったのにって。
      あれ、母さんがいなかったらどうなっていたでしょうねぇ。


 貴秋   ……今度はその母さんの番だからね。父さんの時のような面倒が起きないように、
      事前にマスコミ各社に情報を流した上で節度ある取材をするよう要請して、さらに
      要請を無視するようなら、それなりの対応はさせてもらうと釘は刺してある。
      それでも病院の周辺で嗅ぎ回ったり待機している連中が後を絶たないな。


 春花   毎日状況を流しているのに?
      ……まったく、仕事熱心ね。嫌になるわ。


 貴秋   (淹れたお茶を持ってきて、はるかに渡しながら)その理由は何かな?(目が笑う)


 春花   会長職を引き継いで、十年以上経っているのよ?
      私なんか眼中にもない感じが素敵よね。


 貴秋   やはりそっちのほうか(くつくつと笑う)


 春花   『巨星墜つ』――とか書かれちゃうのかしらねぇ。
      まったく、芸能人やスポーツ選手じゃないっての。


 貴秋   一般紙はともかく、経済関係の報道や出版は、しばらく賑やかだろう。
      面倒くさいが、そういう家だしそういう会社だ。
      私やトモはともかく、お前や春貴に何かあれば、やはりあちらさんたちは黙っちゃいない。


 春花   ……ところで、そのハルキはどうしているのかしら?


 貴秋   もう出社したことだろう。今はアイツのほうが、我々よりも忙しい立場だ。


 春花   見ていてまだヒヤヒヤすることは多いけれど、それなりになんとかやっている感じね。
      そろそろ私は引退してもいい頃かしらと思っているんですけど? 岩下さん。


 貴秋   前会長のようなことを言わないで下さい、会長。
      ……同じセリフを、十年ちょっと前に聞いたね。


 春花   あらそう……(肩をすくめる)


 貴秋   そんなに嫌な顔をするものではないよ。
      母さんとお前は、よく似ている。


 春花   ………(渋面になる)


 貴秋   さ、飲んだら行こうか。


 春花   ええ。片付けるから、車を回して頂戴。


 貴秋   了解いたしました、会長。



   ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


○岩下家本宅 縁側

       岩下友秋がドスドスと縁側を歩いてくる。
       口の周りに髭を蓄え、かつての父親そっくりな容貌になっている。
       縁側に転がっている春花を見つけて近づく。



 友秋   ……ん?
      おい、会社はどうした? というか、ここはお前の自宅じゃないだろ。


 春花   ……実家には違いないわ……。


 友秋   こんなところでだらしなく寝転がってるくらいなら、病院に行ってウチのと交代しろ。
      俺たちばかりに母さんの世話を押しつけやがって。


 春花   義姉さんには、いつも申し訳なくおもってます……。


 友秋   ……世話まではしなくても、見舞いくらいには行けよな。
      一昨日、目が覚めたぞ、母さんの。


 春花   ……うん……。


 友秋   ………。
      おい、どこか悪いのか? ずいぶんとしおらしいが。


 春花   そうでもない……と、思う。


 友秋   タカはどうした?


 春花   会社……私は追い出されたのよ。仕事にならないから、家に戻れって……。


 友秋   じゃ、柳原(自分)の家に戻れよ。
      お前の大好きな『あずまや』はあっちだろ。
      ウチのこんなところに寝っ転がってられたら邪魔でしょうがないぞ。


 春花   トモ兄……。


 友秋   ああ?


 春花   (怠惰に手招きして)


 友秋   (転がっている春花の横に腰掛ける)


 春花   ……頭、撫でてよ……。


 友秋   はぁっ!?


 春花   子供の頃、よく撫でてくれてたじゃない……。
      あたし、トモ兄の手、好きだったなあ……。


 友秋   おまえなぁ、自分がいくつだと思ってるんだ!?
      もういい年のおばさんだろ!


 春花   ……高齢者にさしかかってるわね……でもそんなの、関係ない……。


 友秋   ……(頭をガリガリと掻いて)おーまーえーなぁ……いくらここが、日当たりよくて
      あったかいと言ってもだな、あったかすぎて脳みそまで煮えちゃったか!? ん?
      (言いながら、春花の頭をごしごし撫でる)


 春花   ………(ころん、と仰向けになって、友秋を見上げる)
      ……そういうトモ兄の、ぶっきらぼうにしてるけど優しいとこ、好きよ……――


 友秋   ……お前な……(春花を覗き込む)


 春花   ――あ……。


 友秋   ん? なんだ?



       友秋の顔を見上げる春花の目が、みるみるうちに大きく見開かれる。



 春花   ……忘れてた……


 友秋   ん?


 春花   トモ兄、もともと、貴ちゃんに似てたって……。


 友秋   んあ? ……ああ、そう言えば……


 春花   ………(友秋の顔を見上げたまま)


 友秋   ………。


 春花   ――母さんのところに、行かなくちゃ……。


 友秋   お? ……おう……。
      なるべく早く、見舞いに行ってやれ。それだけでいいから。


 春花   うん……。



   ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



○柳原グループが経営する総合病院 秋子の病個室

       老いた秋子が眠っている。
       窓が開いているのか、カーテンがかすかに揺れている。
       カーテンをすり抜けた風は、病室に飾られた花を揺らした。


 声    ――ら……



       声に反応して、秋子のまぶたがかすかに動く。



 声    ――ら……



       秋子のまぶたがゆっくりと持ち上がる。
       視界にはぼんやりとした影。
       誰かが覗き込んでいることを知覚する。



 声    ――ら……


 秋子   ……貴……ちゃん……?


 声    いいえ……私よ。


 秋子   (ああ、と得心して)……春花。


 声    ええ。
      おはよう、お母さん。


 秋子   会社は、どうしたの?



       秋子の目が開いた。



 春花   今日は、お休みなの。


 秋子   日曜なの?


 春花   ううん。創立記念日よ。


 秋子   ああ……そう。もう、そんな頃なのね。


 春花   ええ。
      ……お母さん、私、お母さんに伝えないといけないことがあるの。


 秋子   ……なに?


 春花   やっと思い出したの。
      ずいぶん昔にね、伝言を預かっていたの。今まで忘れていて、ごめんなさいね。


 秋子   (小さくため息をついて)……いつもながら、詰めが甘いわね。


 春花   そうね。ごめんなさい。


 秋子   (かすかに微笑んで)……なぁに? そんなにしおらしいなんて。
      何か失敗でもしたの?


 春花   お母さん。


 秋子   なぁに……?


 春花   貴ちゃんからの伝言……


 秋子   貴ちゃんから……?


 春花   ええ。貴ちゃんから。


 秋子   ……(ゆっくりと肯いて)おねがい…。


 春花   あのね――……



     ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

--------------------------------------------------------------------------------
 続きます。

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春イベ。

Date: 2017/05/22(Mon) 16:10 [1287]

 終わりましたねぇ。
 今期は開始日が出張中だったこともあって、あまり熱心ではなく(毎回そうじゃん。

 とりあえず一式戦・隼が欲しかったから、E1甲をクリアして終わり。
 そのあとはやっぱり仕事でイベント海域に出る時間は取れなかったので、そのままイベント期間も終了。

 ●●が欲しい…つっても、イベントとの関わり合い方を楽しんでいるみたいなので、獲れなきゃ獲れないでいい…くらいの気持ちで参加するのが良いようです。

 それよりも、今ビス子の建造がしたくてたまらないw 
 大型建造をするには、鉄以外の資材がかなり心許ないので、またチマチマ溜め込み生活になります。


 今回のご新規艦は、春雨、早霜。朝霜。
 ご新規艦が少ないので、ヨチヨチ艦隊は組めないし、礼号作戦関連の任務で、朝霜がすでにぶっちぎり体制になっているので、前回イベントあとのヨチヨチ艦隊みたいにみんな仲良くレベリング…にはならない模様です。
 ただまぁ、ご新規艦だけじゃなくて、プール艦のレベリングをしてない子たちもぶち込んで、ヨチヨチ艦隊を作るかもしれませんねぇ。
 ……とりあえず、今のヨチヨチ艦隊の尻がLv70になったら考えますw
 伊14は今83くらいか。他の子は60台で(イヨちゃんずーっと旗艦だから。


 ドロップまつりの筆頭は不知火。
 イベント中だけでマジに20隻くらい拾ったかな。行った先行った先で不知火ばかりがドロップする日も。
 ……いっぺん轟沈させちゃって今2代目なんですけど、初代の呪いでも発動したんだろうかのぅ?←


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【拍手】ぱちぱち、ありがとうございます。ノ >20日。


 …そういやそろそろ誕生日だのぅ…(遠い目。

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あたらしい「むさじゅん」……

Date: 2017/05/19(Fri) 05:57 [1286]

 ……がないかなぁって画像検索かけたら、結果一覧に自分のアイコン(耳ナシパンダ)が二匹も出てきて orz ってなってみた罠。
 あと、むさじゅんのパイオニア的な作家さんお二人のイラストのあいだに、自分の未完成で元データが喪失してない絵が出てきて「……勘弁して…(顔を覆う)」となってみた。
 さらに「むさじゅん 小説 SS」で検索かけたら、自分のSSが真っ先に出てきて号泣てみたりも。


 「むさじゅん」はニッチ。……知ってた。


 なんでこんなに「むさじゅん」が好きなのかって訊かれても、わかりませんよ、ええ。
 ただもうこれは、落ちるべくして落ちたモノだと思います、ええ思います。
 元をたどれば20数年前…模型屋で雇われ店長をしていた時、軍艦の空母は一航戦・二航戦しか知らなかった(さほど興味がないジャンルなのに4隻も知ってりゃたいしたモンなんですけど)いたいけなワタクシは、軍艦の詰まった棚を整理しながら名前と艦種を覚えていったんですが、実は空母は隼鷹を真っ先に憶えたという事実がありまして。
 また、大和と武蔵では、実は昔から武蔵が好きで。
 ニチモのあのでっかい大和をそのうち買って、武蔵に改造してやる……とか、密かに考えていた時期もあったよなぁ……」と、『艦これ』を始めてから思い出してみたりして。
 飛鷹は残っている資料が少ないからか、それとも隼鷹とほぼ同じだからか、プラモデルが当時はでておりませんで。なもんで、ワタクシは隼鷹と大鷹型は姉妹艦だとばかりおもってました。…にしちゃ隼鷹だけでっけぇなぁ…とは思ってましたけど。
 『丸』スペシャルの『空母 隼鷹・飛鷹』なんて、飛鷹の写真は3枚だか5枚だかしか載ってなくて、あとはぜんぶ隼鷹さんというくらいに飛鷹は資料が残っていないようで。
 そんな飛鷹さんなんですが、なぜか名前だけは知ってたなぁ…って。なんでじゃろ?
 飛鷹型って隼鷹の箱に書いてあったかな。取説には書いてあって様な気がするけど。
 それはともかく。

 まぁそんなワケで「むさじゅん」が好きなのですが(強引に話題を戻したな)、書(描)いてる人はほぼいない状態。
 ……誰か描いて(書)くれませんかねぇ。
 自分のじゃない「むさじゅん」が読みたいなぁ…と、思って検索してみたのに、結果、半分エゴサみたいになってしまって「とほほほ…」と戻ってきた次第。



 …普段やらないことは、やるもんじゃないですね、はい。



 …てことで、軽めの「むさじゅん」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


おおーい、ちびすけ。準備はできたかい?


……いや……まだちょっと……。


あん? なに悩んでんのさ?


隼鷹、どうしても、これじゃないと、ダメか?


さーねぇ。
でも提督が「これ」って指定してきたんだろ?
だったらそれしかないんじゃない(にしし、と笑う)


………。


どしたいどしたい。そんなに渋い顔で。
第二種夏服(それ)着るの、嫌なん?


……嫌……というわけじゃないが……。


んー……何が引っかかってんのさ?


……暑い。


は?(片眉だけが上がって、苦笑したような顔になる)


暑い。


窮屈……ではないのかー。


……窮屈……胸が……


あー。


しゃーないねぇ、オマエさんもチチでかいもんね。


……人のことは言えまい。


だねぇ……ひひ。
チチの種類が違うけどねぇ。
オマエさんのは、まんま筋肉ーってかんじだもんね。
アタシのは脂肪が主だけどねー。


ふかふかしてるな。


へへへ、いーだろー。
ふわふわだよーん。
……それはともかくとしてさぁ、暑いのはしゃーないねぇ。
ナーファだろ、行き先は。


らしい。


じゃぁ、しゃーないかなー。ナーファは人が多すぎる。
鹿屋(本部)よりも多いぞー。そして艦娘はたぶんほぼいない。
まあっちの基地内にはいるんだろうけどさ。


ふぅん。


オマエさんの悪いところは、この狭い世界だけで満足してるってところだねぇ。
もっといろんなモノを見て体験した方が良いって提督も思ってっから、
規律違反って分かってても、ナーファに連れてくんだろうねぇ。


違反なのか。


まぁね。
ただまぁ、場所によってはゆるいところもあるかな。
長崎……佐世保とかゆるめだし。本島なんかもゆるいねぇ。特にナーファは緩い。
軍関係が多いからだろがね。だから連れてってるんだと思うよ、オマエさんを。
じゃなければ、艦娘ってすぐバレちゃうようなのを、わざわざ一般人の多いところに出さないでしょ、あの提督だったら。


そう……かもしれんな。


というワケなので、窮屈で暑いだろうが、我慢して着ていきなー。
……で、可能なら土産たのまぁ。


土産。


そそ。この時期ならやっぱ桶柑(タンカン)かねぇ。あと、古酒(クースー)かなぁ。
か号券預けっからさ、提督に渡して換金してもらっておくれ。そしたら買えるから。
……ま、10枚もありゃいいかねぇ、うひひ…。


最近間宮が来ても使わないと思ったら、そういうことか。


ふふふーん。


狡賢いヤツだな。


伊達に長く生きてやしないんだよ。
ついでに、オマエさんの好きなモノも買ってくりゃいい。小遣いやるよ。二枚分なー。


いいのか?


たまには姐さんにいい顔させな。
窮屈で暑い思いさせるご褒美だ。


お前がさせてるわけじゃないが。


そーだけんどねー。アタシの気持ちなんだよ。お遣い賃だ。いいから取っときな。


……わかった。


よし、良い子だねぇ。


ありがとう、隼鷹。


(照れくさそうに肩をすくめる)いいってことよ……ひひ。


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 「第二種夏服」……つまり、第二種制服(ここでは海軍白制服)の夏服ことです。
 デザインは特に決めてないですが、白の開襟シャツに白のスラックスかタイトスカート。階級章は乙か丙のやや略式って感じですかね。
 武蔵は元のデザインがミニスカだからか、存外タイトスカートが似合うということに、先日気がつきましてwwww
 胸もでかくてばいんばいん(←)だから、女性的な服装が似合うなぁと、思いました。
 ヒナセは胴長短足の日本人体型で、痩せ形でさらに体のでこぼこに乏しいので、女性的な服装よりも、少年っぽい服装のほうが似合う気がします。ロングスカートっぽい礼服(メス・ドレス)…の着かけ、は一度だけ描いたことがありますがw


 …前回の駄文にも出てきた「ナーファ」は実在地名……の古語。
 公式にでてくる軍事拠点以外の地名は、できるだけボカしたいかなって。
 
 ちなみにヒナセ基地があるN島は、完全架空の島です。
 一応モデルっぽいところ(無人島)はありますが、厳密に「そこ」というわけではなく。
 位置的には、沖縄県かな鹿児島県かな……ギリ鹿児島? って感じで。
 さらにどうでも良いことですが、ヒナセの本籍地は鹿児島県、カワチは神奈川県。アサカは実は広島県ですwwwww(何代か前に関東に完全移住しているが本籍地を動かしていないパターン)

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【拍手】ぱちぱち、ありがとうございます! >5/13日、16日。

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カワチ、着任・7

Date: 2017/05/16(Tue) 17:25 [1285]

 つづき。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 カワチ  (ヒナセに敬礼をして)
      あたらためて、小官の着任をご許可頂きたく、お願い申し上げます。


 ヒナセ  ………(しれっと見つめていたが)
      先日も言ったけど、正式な辞令が出てて、アサカ次長が親書まで送ってきてる
      ことに対して、私は異を唱えるすべをないんだよね。


 カワチ  それとは関係なく、小官はヒナセ司令官の下で働きたく存じます。
      その、つまりは……幕僚として。


 ヒナセ  ……ウチは小さな基地だからね。私一人でもなんとかやっていける。
      部下の数も、足りてるどころか余ってるくらいだよ。
      私は基地艦隊司令官も兼任しているけど、編成に就ける艦娘の数が少ない
      から、艦隊どころか戦隊編成だって組めるかどうかもアヤシいって状態だから、
      幕僚なんてご大層なものを持てる身分じゃないな。


 カワチ  「なんとか」じゃなくて、もっと余裕のある基地運営をするための
      人員が小官であると、意見具申しま――


 ヒナセ  ――ただまぁ、私が基地不在の際に何か不測の事態が発生すると、
      判断と対応が遅れて必要以上に損害が大きくなることが、ままある。
      ……以前、訓練のためにここを留守にしているときに小火(ボヤ)騒ぎが
      あってさ。緊急電を受けて急ぎ戻ったら、火は消えていたけど、倉庫の一部
      が丸焼けになってて……しばらく大変だったな。


 カワチ  ………。


 ヒナセ  だからまぁ、もう一人くらい、人間がいたほうがいい。
      ……そういうことだから。
      まずは手始めに、ウサギ係をやってて下さい。どのみち仕事は山のようにある。


 カワチ  (カワチの顔がぱぁぁ…と晴れる)


 ヒナセ  幕僚として受け入れるのは、たぶん無理でしょ。
      そっちは本部が許可しないよ。そもそも、ここに飛ばされてきた理由を思い出してよね。


 カワチ  あ……そう、でした。


 ヒナセ  ……私なんかの下に就きたいなんて、気が知れないよ。


 カワチ  (顔を盛大にゆがめる)ヒナセ……その……。


 ヒナセ  (その様子に肩をすくめる)悪いね。でも撤回しない。
      気が知れないのは本当のことだから。


 カワチ  君はそう言うが、上司として悪い方じゃないと思う。
      この基地の艦娘たちを見てそう思う。
      ここの子たちは皆伸びやかで生き生きとしている。
      君が等しく気にかけて面倒を見ている証拠だ。


 ヒナセ  艦娘には親切でも、人に対しては親切じゃないかもよ。


 カワチ  世の中のすべてにおいて親身になる必要はない。


 ヒナセ  ……私はね、オマエさんのそういうところが、胡散臭い。
      だから苦手なの。あと、距離が近いところも。


 カワチ  (苦笑しつつ息を吐いて)それはどうも。
      距離に関しては気をつけましょう。
      態度については……少々目をつぶって頂ければ助かります。
      人間、自分に嘘をつき続けていると、いつの間にかそれが肌のようになってしまって
      気がついたときには自分でも剥がせなくなっている。
      私のこの態度は、それと同じようなモノなんだよ。


 ヒナセ  ふうん。
      初めて会ったときからそうだったから、てっきりもともとの性格だと思ってた。


 カワチ  子供の頃はもっと天真爛漫だった。


 ヒナセ  ……(ものすごく胡散臭そうな顔)


 カワチ  はははは。


 ヒナセ  カワチ大佐。


 カワチ  はい?


 ヒナセ  (カワチに握手を求める)まぁ、あらためて、よろしく。


 カワチ  (ヒナセの手を握り、柔らかく「にこ」笑う)
      ありがとうございます。


 ヒナセ  まぁ、私の仕事を邪魔しないでくれたら、それでいいよ。


 カワチ  善処しましょう。


 ヒナセ  あと、ぐいぐい距離を縮めてこないこと。
      オマエさんは大きいから、圧迫感がひどい。


 カワチ  ははは、それは失礼。努力します。


 ヒナセ  どうやったらそんなに大きくなれるのかな。


 カワチ  メシをたくさん食べただけです。特にコメ……ですね。


 ヒナセ  あー……コメねー……。


 カワチ  でも、その体格だから、飛行機乗りになりやすかったでしょ。


 ヒナセ  んにゃ、そうでもない。ギリギリの高さなんだよ。
      だから体格検査の前の日に、頭のてっぺんにたんこぶを作ろうとして、
      叔父に見つかってしこたま叱られた。


 カワチ  ……それはそれは。


 ヒナセ  叱られてる最中に、叔父から頭のてっぺんにゲンコツ三回もらってさ。
      それでできたたんこぶが、身長を測られるときにめちゃくちゃ痛かった。


 カワチ  (ぶ、と吹き出す)


 ヒナセ  なので、飛行学校時の検査で記録された身長を、公称してる。


 カワチ  何センチなんだい?


 ヒナセ  一五九。


 カワチ  実際には?


 ヒナセ  一五八。


 カワチ  ……叔父上に感謝しないとな。


 ヒナセ  まぁね。
      ……ところでさ。


 カワチ  はい?


 ヒナセ  オマエさん、一時期名字が変わってなかったっけ?


 カワチ  ああ、二週間ほどね。結婚してたから。


 ヒナセ  ……あ、そう。


 カワチ  若気の至りで、相手がすぐに婚姻届を出しちゃってねぇ。


 ヒナセ  若気……って、三五超えてたでしょ。
      ……で、独身主義で遊び人のカワチ提督が、また何の気の迷いで結婚したの?
      相手は確か……


 カワチ  コダニ主計中佐だったね。


 ヒナセ  ああ、そうそう名札の頭文字が『K』だったからぱっと見分からなかったんだけど、
      なんとなく違和感があったから注意して見たら、『KODANI』になってて、
      姫提督にそれとなく訊いてみたら『結婚したようよ』って言われたんだった。


 カワチ  さすがヒナセ提督、目ざといですな。
      あの時は大変でねぇ。
      コダニ中佐があちこちに言いふらすものだから、ちょっとしたスキャンダルになっていた。


 ヒナセ  それが嫌でスピード離婚したとか?


 カワチ  いやーそこまで酷い人間じゃない。
      そもそも、結婚自体が早計すぎたのさ。


 ヒナセ  は?


 カワチ  はははは……その……実は、酔った弾みでコダニ中佐とヤっちゃってねぇ。
      何かの打ち上げのあとだったか。


 ヒナセ  は?


 カワチ  彼はなかなか床が巧みで。まぁぶっちゃけ、気持ちが良かったんだよ。
      初めてだったなぁ、抱かれて気持ちが良い相手は。
      で、家のほうでちょっと嫌なことが続いてた頃だったもんでさ
      「そろそろ結婚したほうがいいのかなぁ」とか思ってた時期だったこともあって、
      ヤっちゃった余韻のままに「結婚したいなぁ」って口走っちゃって。


 ヒナセ  ………。


 カワチ  そしたら「じゃ、やっちゃいますか」ってコダニ中佐が鞄からスッと婚姻届けを
      出してくるじゃない。そのままの勢いでうっかり書いて印まで押しちゃってね(くつくつと笑う)
      印鑑を持ち歩いている弊害だね。


 ヒナセ  わー……サイテー……。
      ……てか、そんなに結婚願望が強いコダニ中佐が、よく二週間で離婚して
      くれたもんだね(うんざりした顔で)


 カワチ  まぁ自分に嘘をつくのはいけないということだね。特に人の好悪については。


 ヒナセ  コダニ中佐が嫌いだった?


 カワチ  いや、彼は親切な人だよ。今でもいろいろ良くしてくれる。
      ただね、婚姻届けを出して同居して思ったんだが、やはりコダニ氏よりも
      別の人間が好きなんだよ、私は。それに抗えなかった。だからコダニ氏に
      それをはっきり言っちゃら、「じゃ、分かれますか」って話になった。


 ヒナセ  なんかすんごい軽い感じが否めないんだけど。……コダニ氏、度量がでかいねぇ。


 カワチ  いやぁ、それがさ、あとから知った話なんだが、コダニ氏はそういうことを
      何回もやってる御仁らしい。


 ヒナセ  ……は?


 カワチ  コダニ中佐の婚姻歴。


 ヒナセ  うん?


 カワチ  実に二三回。


 ヒナセ  はいぃ?


 カワチ  私はなんと、栄光の二〇回目の結婚相手。


 ヒナセ  (口をぱくぱくさせる)


 カワチ  現奥さんとは、実は三回目の縒り戻しらしいよ。


 ヒナセ  ……サイッテー……。


 カワチ  はははは。


 ヒナセ  ……頼むから、そういう風紀の悪いのだけは、勘弁してよね。


 カワチ  大丈夫。あの一件で、私は自分に嘘はつかないと決めたから。
      好きな人の近くにいられれば、それで十分だ。


 ヒナセ  ここには艦娘しかいませんよ。


 カワチ  やだな、一人だけいるじゃないですか。


 ヒナセ  ………。
      そういう軽さと距離の詰め方が嫌だつってんだよ!
      あとさ、オマエさん。言ってることとやってることが、すんごい違ってる。
      あっちでの艦娘とのアレコレを、私が知らないとでも思ってんの?


 カワチ  いやいや、艦娘とのアレコレは、合意の上での関係だし、
      みんなやってることじゃないですか。


 ヒナセ  ここの子たちはほぼ全員が修理だ療養だって子たちだからね。
      手を出すのは禁止!
      もちろん私の専任艦に手を出すのも禁止。


 カワチ  それも大丈夫。私の守備範囲は重巡以上だし、空母は趣味じゃない。


 ヒナセ  ~~~……。
      戦艦クラスがいますが。


 カワチ  日向も長門も趣味じゃないな。できれば陸奥とか大和とかが……


 ヒナセ  ……勝手にしろ。


 カワチ  そうさせて頂きます(満足そうに笑う)



       日向と長門が提督たちに手を振っている。



 ヒナセ  どうやら終わったようだね。


 カワチ  ……の、ようですね。


 ヒナセ  さて、次の指示を出しに行きますか。
      (カワチを見返ることなく独り言のようにつぶやいて、
       日向たちのほうに歩き出す)


 カワチ  (そんなヒナセを見て微笑み)アイアイ、マム。



       カワチは先を行くヒナセのあとを、ゆっくりとした足取りで付いて行く。
       風が吹き、カワチの長い髪がふわりと浮き上がる。
       先に行くヒナセの髪もふわふわと揺れ動いていて……

                              (了)

--------------------------------------------------------------------------------
 見た目も正確もハンサムなカワチ提督。
 唯一の欠点は、『ヒナセが好き』なこと。
 ……どうしてこんな碌でもない人間が好きかなって感じでw

 共通項目として『家族に恵まれていない』があります。
 ヒナセは物理的、カワチは精神的という違いはありますけれども。
 もしかしたらだけど、だからカワチはヒナセに惹かれるのかもしれないなぁ……って。

 ……二人の上司であるアサカヒロミ氏は、また別の歪んだ家族観を抱えていたりしますが、それはまた他のお話で。

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カワチ、着任・6

Date: 2017/05/15(Mon) 13:53 [1284]

 休むにしても、終わらせてからにしようか…というワケで、再開。

 エピローグ・1(長くなってるので分割)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
○翌々日 ヒナセ基地菜園の一角
       建設途中のウサギ小屋。
       日向、長門を中心とした艦娘たちで土台を突き固めている。



 カワチ  (それを眺めながら)そろそろいいんじゃないか?


 ヒナセ  んにゃ、まだまだ。


 カワチ  こんなに突き固めないといけないものなのか?


 ヒナセ  人が持ち込んだウサギなら、アナウサギの一種だからね。
      あいつらの穴掘り能力をナメてはいけない。


 カワチ  ほう?


 ヒナセ  本来なら、土台の一番下にセメントを流し込みたいところだよ。
      次の便で明石に持ってきてもらう予定にしてるから、届いてからやり替えないと。


 カワチ  だったら、その後日にまとめてやればいいのでは?


 ヒナセ  今作ってるのは、仮飼育小屋。
      これからもたぶん、ウサギが捕まるでしょ。
      小屋にいきなり入れるのは無理だから、ここで慣らしてやって、
      本小屋に入れるようにしたい。


 カワチ  ……ずいぶん親切だな。


 ヒナセ  昔、父さんがそうしてた。


 カワチ  なるほど、失礼しました。


 ヒナセ  ……だから、たぶん意味があることなんでしょ。
      やってみるに越したことはないかなって。


 カワチ  ……で、本小屋はどこに作る予定ですか?


 ヒナセ  あのあたり(くるくると回転させながら指差す)を、
      こう……(指を矩形に動かす)……こんくらいの大きさで、


 カワチ  ずいぶん広いな。


 ヒナセ  運動場もいるからね。


 カワチ  ふーん?(ウサギを飼った経験などないのでよく分かっていない)


 ヒナセ  (カワチの様子を見て、小さくため息をつく)


 カワチ  なんだい?


 ヒナセ  んにゃ……町の人だなぁって。


 カワチ  ………。


 ヒナセ  他意はないよ。


 カワチ  そう……ですか。


 ヒナセ  うん。
      できれば、ウサギはここにぜんぶ集めたいかなぁ。


 カワチ  ………。


 ヒナセ  ま、無理なお話だろうけどね。どれくらい増えてるのか検討もつかない。
      ここにはこれといった天敵もいなかったろうから、増えるだけ増えてるんじゃないかなって。


 カワチ  一度にどのくらい生まれるんだい? ウサギは。


 ヒナセ  んーと……五匹から七匹ってところかな。多いときは十匹とか。
      でもね、一度に生まれる数よりも、年間を通して繁殖できる回数が
      他の動物よりも多くて。そっちの方が問題かな。


 カワチ  ほう?


 ヒナセ  春と秋が繁殖しやすいけど、飼ってる場合は、特にこれと言った繁殖期ってないの。
      そこんとこは、人間とほぼ同じかな。もっとも、飼い猫とかもそうだけど。


 カワチ  ……なるほど、それであの大きさか。


 ヒナセ  まぁ、計画的に繁殖して肉にするなら、さほど問題はないかもね。
      牛や豚とちがってかなり小さいから、場合によっては一度に十匹くらいつぶさないと、
      賄えないだろうし。
      ついでに皮も取れる。本島に持って行けば、たぶんそこそこの値で買ってくれる
      業者がいると思う。……憶えているだけでも三軒はあるかな。
      もっとも、まだやってれば……の話だけどね。


 カワチ  ………。


 ヒナセ  (絶句しているカワチをチラリと見て、かすかに肩をすくめる)
      どのみち近いうちに行くから、アテを訪ねてくる。


 カワチ  ……大丈夫なのか?


 ヒナセ  なにが?


 カワチ  本島は今、いろいろと規制が厳しいときいたが?


 ヒナセ  ちょっとしたカラクリがありましてね。
      規制が厳しいと言ったところで、本島だけでも百万人から住んでる島だし、、
      ナーファなんかいちおう観光地だから、人間がひとりふたり紛れ込んだところで
      誰も気がつかないよ。


 カワチ  ………。


 ヒナセ  何?


 カワチ  いや、恐れ入ったよ。


 ヒナセ  そ?
      ああ、このことは、次長の了解済みだから。


 カワチ  ……いや……そういうことでは……。


 ヒナセ  妙な報告をされちゃたまらないからね。


 カワチ  ……信用がないな。


 ヒナセ  まだ確信が持てないからね。


 カワチ  (肩をすくめて)その疑り深さは、きっと君の身を助けるだろうよ。


 ヒナセ  あ、そ(肩をすくめる)
      ……ここは一般航路からも外れたところだし、そもそも軍が規制して
      この海域に一般船舶は入れないようになってる。本部とは複数の通信手段で
      繋がっているけど、ちょっと嵐がきたり雨が酷かったりしたら、本部からの
      物資が途絶えがちになる。だから、自給自足の手段をいくつか確保して
      おかなきゃならないし、畑を荒らす動物は害獣として駆除しなきゃいけない。
      駆除のついでに肉が取れて、皮が取れて。なんらかの換金手段があるなら、
      それらも目一杯使わないとね。


 カワチ  なるほど。
      ……ヒナセ司令。


 ヒナセ  はい?


--------------------------------------------------------------------------------
 あと 1回か2回で終わる…ハズ。

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終わった…。

Date: 2017/05/07(Sun) 23:48 [1283]

 仕事もイベントも……。

 お疲れさまでした。

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…しばらく…

Date: 2017/05/06(Sat) 22:56 [1282]

 …『艦これ』の二次創作をお休みするかもしれません。



 それはそうと、明日は『砲雷撃戦』ですね。
 1週間以上前に納品も終わって、Twitterでできる限りの宣伝をして、さらに先ほどPawooの登録と宣伝ツイート(とは言わないらしいが、結局はツイートじゃろ?)をしたので、もう自分ではやれることはないかなって思いました。
 どっちの目が出ても、納得できると思う。



 最近、『艦これ』の二次創作が面白くないわけではないのですが、書いてて(内容が)辛いなと思うことがよくあります。
 理由は自分で分かっていて、それはヒナセの物語を終わらせにかかっているからの辛さなのです。
『優しいけれども残酷な世界』を2年以上書いてきて、どんどん自分の心が削れていく。書きたいから書いている話なのに、心がささくれ立っていく。
 このこと自体は毎度のことなので、本来ならさほど問題にはならないんですが、↓で書いているように、年齢的な体の変化もあって、それの影響がかなり強くでている現在、自分に必要なのは、今少し『やさしい世界』なのではないかと、思い始めているわけです。

 『艦これ』二次コンセプトである『優しいけれども残酷な世界』の対局にあるのは『残酷だけどやさしい世界』である、あの世界ではないだろうかと、昨日の夜に少しだけシナリオを進めて思った次第でした。
 …実のところ、徳利と猪口の製作で心が削れすぎた…のは否めません。正直なお話。


 そんなわけで。
 ちょうど『砲雷撃戦29』で一区切りにしようかなと。

 ……ま、こんなこと書いてても、出張から戻って家の掃除が済み次第、また書き始める可能性は十分あるわけですけども(ここまでが標準装備。


 ともあれ、明日でGWの現場は終わりです。
 8日は可能であれば、屋根裏さんの『艦これ』二次創作の舞台である「小祝基地」のモデル地に立ち寄って、それからのんびり帰宅しようと思います。

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心が痛い…。

Date: 2017/05/05(Fri) 00:42 [1281]

 はまり込んで感情移入しすぎているわけではなく、むしろその反対なのに。
 以前もこんなことがあったけど、今回はちと重傷だなぁ…。 

 現と夢のあいだを常に行ったり来たりしているけども、あやふやになったりはしないのですが、だからこそ見えてくるものが辛いときがあったりします。

 ……どのみち今、不安定なんだな。


 変な話に聞こえるかもしれないけど、睡眠時間の長さじゃなくて、時間帯が重要なようだと、ふと気づきました。
 正直、この時間帯に眠ろうとすると、きちんと眠れないことが多いなと。<不調原因の一つ。

 我が的にいちばん楽に眠れる時間帯は、4時くらいから13時のあいだの4~6時間のようです。
 もともとがショートスリーパー気味なので、6時間以上寝ると、実はしんどくてたまらなかったりします。…とは言いつつ、まれにびっくりするくらい寝る日もあるんですけども。数年に1度くらいの割合ですが。<ひと月ほど前に理由もなく目が覚めきれなくて14時間ほど寝てた日があった。

 だから何だ? って話ですが、やっぱそろそろイベント業も引退なのかなぁって…(年々辛くなってる。<夜に寝て朝に起きるのが。←

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声。

Date: 2017/05/04(Thu) 00:27 [1280]

 20年ほど前に聞いた声をまた聞くようになって恐れている。
 恐れを感じているあいだは、たぶん足を前に出さないだろう。
 ただひとつ気がかりは
 自分をつなぎ止めた綱が
 今はないということかもしれない。
 もしうっかり一歩前に出てしまったら

 その時のために先に「ごめんなさい」とだけ書いておきます。

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不定期愁訴。

Date: 2017/05/03(Wed) 00:34 [1279]

 ま、そういう体なので。

 いろいろと面倒くさい体と心を抱えて生きていて、そろそろ体のほうがターニングポイントにさしかかっていて、その変化について行けてないなぁと、痛感する今日この頃です。

 これを無事乗り越えることができれば、自分はもっと楽に生きられるようになるのだろうか。
 それとももっと辛くなるのだろうか。
 あるいは乗り越えられずに終わるのだろうか。

 1日数回、とある単語を頭の中で呟いているのに気がつくわけですが、せめてそれだけでもなくなれば……と思います。

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ふたたび

Date: 2017/05/02(Tue) 00:14 [1278]

 蓋をして 鍵をかけよう

 今度こそ 開かぬように

 二度と開かぬように

 三度目はない

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そして僕は…

Date: 2017/05/01(Mon) 00:47 [1277]

 …静かに目を瞑じる…。


 おやすみ世界。ノ

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イベント準備終了。

Date: 2017/04/27(Thu) 04:08 [1276]

 …そして出張へ。

 本当なら28日の昼までに事務所に行けばいいんですが、GWの仕事のスケジュールが確定していない(どこの現場か行ってみないと分からない)のと、当確っぽい現場に行くのに、えぶりー号じゃなくて会社の車だろうし(…と思ってたらえぶりーだったパターンもよくある)、だったら自分の荷物をおちょっと載せて下さいな…と言えない物量で……と、いろんな条件が重なってしまったので、1日早く出て、事務所がある倉敷を通り過ぎて兵庫県のJingてーとく宅にサークル荷物を下ろしに行くのです。つまりは納品。

 サイズがね、三辺合計で190ほどになりまして。総重量25kg。
 重さだけなら宅配便でいけるのに、大きさオーバーで宅配は無理(バラせばいけるけど)
 なので、たぶんヤマト便でGOになるかと思われます。
 とにか1個口にしたい考え(ヤメロ。

 1個口にしたい理由は、配送料もあるんですが、それ以上に分けることによって事故で一部が届かなかった…という事故を未然に防ぎたいからで。
 ……もうね、すべて届かなかった……ならあきらめもつくんです。ええ。
 ま、そんなことになったらワタクシ、首括らないとアカンのですがwwwww

 …起きたらPixivにお品書きを上げて、荷物積んで掃除して……。

 今回の出張、お帰りは早くて5/8です。




 ……やっと心置きなくテキスト打てるんだなぁって…(ため息。

 あるいは、疲れ果ててホテル戻ったら寝るだけの日々になるか。

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